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「____くそッ!!」








ドンッ、と怒りに任せて壁に打ちつけた拳が、時間差でジクジクと痛み始める。




______考えうる中でも最も想定したくない事態となってしまった。




だがそれでも、こうなる可能性くらい、刑事として幾らでも考慮していたはずだった。

万が一その場面になったとしても、あいつを助けるために俺だけは冷静でいなければと、そう思っていたのに。



……なのに、実際に直面した途端、どうしようもなく焦りと無力感に苛まれる。








「松田、」


「……悪い、班長。取り乱しちまって」


「いや、そら別に良いんだけどよ」









______目暮警部に告げられた知らせは、Aの乗る飛行船が赤いシャム猫にジャックされた、というものだった。



そこから考えられるのは、どうやっても最悪のシナリオで。

下手すれば、細菌を乗せた飛行船ごと、地上に。









「……おい、萩原。よく聞け」










Aの一大事にまだ近くに居るとは思えなかったが、無意識に言葉を紡ぎ始めていた。









「___何があっても、あいつを一人にするな」









確かに飛行船にはゼロと諸伏も乗り合わせている。




だが相手はハイジャック犯だ。

そう簡単に身動きを取らせてくれるとも思えない。






となればあと自由に動けるのは、A以外認識することの出来ないハギだけ。



……お前ならあいつの傍くらい、すぐに行けるだろ。

何もしてやれねぇ俺の代わりに、お前があいつの傍に居てやってくれ。




お前が傍に居れば、あいつも多少は安心できるはずだからな。





なんとなく周囲から一人分の気配が消えたと同時に、上への報告から戻ってきた目暮警部。


全員が次の指示を仰ぐために口を閉ざした空間では、警部の声はやけに鮮明に聞こえた。








「只今より、我々警視庁は飛行船の追跡を開始する。

 ヘリに乗り込むのは、……松田くんと伊達くん、頼めるか」



「っ、は」







警部の言葉に、思わず間抜けな声が口を飛び出す。



自分で言うのもなんだが、今の俺は冷静じゃない。

だからこそこの件からは真っ先に外されると、そう思っていたのに。








「伊達くん、彼の見張りを頼んだよ」


「了解です。……おい松田、行くぞ!」




「ッ、あぁ!」








礼の代わりに深々と頭を下げ、俺も伊達を追って走り出す。



待ってろ、A。

俺が絶対、お前を助けに行く。







「あの松田くんが素直に頭を下げるなんて」


「……普段からあれくらい素直だったらいいんだがな」







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無糖(プロフ) - シンデンさん» すみません、表紙絵の方は少し厳しいかもしれません……💦ご期待に添えず申し訳ないです🙇‍♀️ (4月23日 23時) (レス) id: 24145c4343 (このIDを非表示/違反報告)
FRISK。(プロフ) - 一気に読ませて頂きました!続き楽しみにして待ってます! (4月22日 6時) (レス) @page42 id: 6b38b8c85b (このIDを非表示/違反報告)
シンデン - 無糖さん» 無糖様返信有り難うございます。勿論モラルは守るつもりです常識と良識もって誠心誠意書かせてもらいます。とっっっても失礼なのですがあの、表紙の絵を書いて頂くことって出来ますでしょうか?もしも出来れば御願いしたいです。原作ファンも喜ぶと思うので… (4月21日 9時) (レス) id: 041e3f6835 (このIDを非表示/違反報告)
戦国娘(プロフ) - 更新待ってました!何気に浪速コンビとの絡みがここでやっと何だな〜と読みながら思いましたwww映画でも胸アツな2人だったので本編でも夢主との胸アツストーリーを楽しみにしてます😊 (4月20日 0時) (レス) id: 27df865018 (このIDを非表示/違反報告)
無糖(プロフ) - シンデンさん» コメントありがとうございます!私としても初のご提案だったので、返答が遅くなってすみません💦二次創作(三次創作?)の件ですが、作品元を明記する、本文をコピぺしない、等のモラルを守ってくださる場合に限り大丈夫です…!うちの子をよろしくお願いします! (4月19日 21時) (レス) id: 24145c4343 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無糖 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年3月27日 14時

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