4．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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「だるまと一緒だと？笑わせんな。福沢諭吉の左目が無いのは、彼を彫っていた彫り師が怪我しちまっただけのこと」



「何……？」


「ほら、そこの腕を吊った白髭の男……そのおっさんだろ？本当の彫り師は」







本屋の前で披露された推理よりも、より正確な推理が建物の中で繰り広げられる。



その間、拳銃が飛ばされて解放された私は、「もうああいう無茶はしないでAちゃん！！！！ほんっっっっっと心臓に悪いから！！！！俺幽霊なのに心臓発作で死ぬよ？！？霊体姿で死ぬよ？！？！ギネス取っちゃうよ良いの？！？！良くない！！絶対良くない！！！！」と泣き叫ぶ研二くんに抱きしめられていた。


大袈裟だなぁ。







「だ、誰……誰だよあんた！！！！」



「＿＿＿＿＿＿江戸川コナン、探偵さ」







お前はさっきイヌヤマが始末したはず、と動揺する女の人に、しれっとした顔で眠ったイヌヤマさんを床に倒すコナンくん。


そしてさっき飛んできた黒い物体がイヌヤマさんの拳銃であることを説明すると、コナンくんは床に並べたペンキバケツをあのキラキラ光る靴で蹴り上げ、男の人二人を気絶させてしまった。




自分の身の危険を感じた黒い帽子の女の人が、床に転がった拳銃に向かって走り出す。





だから女の人の手が届く前に、私が奪って銃口を向けた。


初めて握りしめた拳銃は、思いの外重たかった。

ずっしりとした重さが拳銃の威力を示しているようで、有利になっているはずなのに、その重みに怖気付く。





この引き金を引いたら、人が死んじゃうんだよね……？








『Aちゃん、撃っちゃダメだ。絶対にその引き金だけは引くな。……お願い。俺のために、引かないで』








女の人と拳銃の間に研二くんの体が割り込んできて、銃口を右手で塞がれる。


……お願いなんてしなくても、私は撃てないよ、研二くん。




一向に撃つ気配のない私に、銃口を向けられていた女の人は次第に威勢を取り戻し始めて、「どうせ撃てっこないんだろう？！さぁ！その拳銃を渡しな！」と叫ぶ。




このままじゃ、またすぐに拳銃を奪われてしまう。

どうすれば。







「＿＿＿＿＿＿貸して。貴方が撃つ必要は無いわ」



「え、アイちゃ＿＿＿」








手の中から拳銃を奪われた刹那、パァアンという発砲音が辺りに轟き、女の人の顔スレスレに弾が撃ち込まれる。


その背後では、大きな音を立てて砕け散るビルの窓ガラス。







『……いや、この子何者？』








……多分ハワイで習ったんだと思う。








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