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『あったよAちゃん!!72番目のゴンドラだ!!!』







幽霊だから汗なんてかかないはずなのに、今の研二くんの額には汗が滲んでいるように見える。





風のような速さで戻ってきた研二くんは、あるゴンドラを指さして声を張り上げた。



指先の方角には、あと少しで下に到着してしまうゴンドラ。






子どもの私でも分かる。



じんぺーちゃんはあれに一人で乗り込む気なんだ。





爆弾のあるゴンドラに、たった一人で。







さっきじんぺーちゃんがタバコを吸ってたのは、覚悟を決めるためなの?



……じゃあ、私との指切りはどうなっちゃうの?






じんぺーちゃんまで、Aとの約束破っちゃうの?








___『お仕事なんだから仕方ないでしょ。動物園なんていつでも行けるじゃない。わがまま言わないで』








Aがわがままだから、じんぺーちゃんも行っちゃうの?







ゴンドラが下まで到着して、入り口が開けられる。



じんぺーちゃんはなんの躊躇いもなくそこに歩みを進める。





___それを引き止めるように、私はじんぺーちゃんのスーツを強く掴んだ。







「っA……?!お前、まだ居やがったのかっ!」



「やだっ、行っちゃやだ……!じんぺーちゃん行っちゃダメっ!」




「はぁ?!」







一人ぼっちはもう嫌なの。



じんぺーちゃんが、私にとって、初めてできた【人間】のお友達なの。




だから、だから、お願い。


逝かないで、じんぺーちゃん。





まだ一緒に食べたいものいっぱいあるのに、Aを一人にしないで。








もうすぐ観覧車には乗れなくなる。



焦ったように私の手を離したじんぺーちゃんの背後では、すでにゴンドラに乗り込んだ研二くん。





…………私だって、じんぺーちゃんを守らなきゃ。







「っ!」







じんぺーちゃんが背を向けた瞬間を見計らって、グイッと強くスーツを引く。



いくらじんぺーちゃんが大きくても、急なことでは流石に体制が崩れた。






今がチャンスだ。




スルリと彼の脇をすり抜けて、柵によじ登り、上がり始めたゴンドラに飛び移る。



うまく着地できたからか、ゴンドラはあんまり揺れなかった。







「っA、お前……ッ!!!!……くそッ、誰か早く観覧車を止めてくれ!!72番のゴンドラに子どもが乗り込んだ!!!このままだとあいつが……!!!」







下からじんぺーちゃんの叫び声が聞こえてくる。



隣では研二くんが「乗り込んじゃったか」と困ったように笑っていた。







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宮野冬姫(プロフ) - 本当ですか!ありがとうございます!! (2022年7月10日 13時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
無糖(プロフ) - 宮野冬姫さん» 分かりました!変更しても物語には影響がないので、水銀レバーに変えておきます! (2022年7月10日 9時) (レス) id: 24145c4343 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - そうなんですか!でも、松田は水銀レバーと言っていたので個人的はコナン世界に合わせてほしいです。生意気なこと言ってすみません (2022年7月10日 9時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
無糖(プロフ) - 宮野冬姫さん» コメントありがとうございます!ご指摘に関してですが、現実世界だと水銀レバーではなく水銀スイッチというらしくて、間違いではないです!多分無駄にリアリティーを追求してしまったんでしょうね(笑)ご指摘ありがとうございます! (2022年7月10日 9時) (レス) @page29 id: 24145c4343 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 028の爆弾のお話、水銀スイッチではなく水銀レバーですよ!! (2022年7月9日 23時) (レス) @page29 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無糖 | 作成日時:2021年6月13日 18時

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