FiELD 畑での1日［2］

053 おれはすきだよ ページ10

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よっこらせ、とえいちゃんの隣に座ると



「もうそんな歳なの？」って笑われた




ケラケラと笑いながら、毛布を私に半分かけてくれる

2人で毛布に包まるとぴったりくっついているからか、人熱でじんわりと暖かくなる





『2人で1枚ってキツくない？』


「文句言うなら出てけババア」


『なんてこった』


「嘘だよ、出て行かないで。俺が寒いの」




そう言ってえいちゃんは、私との距離を詰める


近い近い近い。落ち込んでるだいちくん並みに近い




ぼけーっと編集中のパソコンを見ているとさらさら赤髪の彼が私の肩に頭を預けてきた




『おぉ、どうしたえいちゃん、甘えた期なの？』


「んー、別にぃ」





ぐりぐりと肩に頭を押し付けられる

さらさらの髪の毛が首元に触れてくすぐったい




なんでこんな派手髪なのにサラサラなの…



羨ましく思いながら髪の毛を眺めていると、言いづらそうにえいちゃんが話し出す





「………ねえ、はじめさんの所、楽しい？」



『え、なんで急に』



「…俺はAにアバハウスに来て欲しいし、一緒にいたい。こんなたまに会うんじゃなくて毎日会いたい」






そんなこと言うなんて思ってなくて、驚いた私はえいちゃんの顔を見ようとするけど


「こっちみるな」ってほっぺを掴み、正面を向かされる


暗いからえいちゃんがどんな顔をしているのかわからないけど、多分私と同じ顔





『…もしかしてえいちゃんお酒飲んだ？』


「飲んでねーよ」




ぴったりくっついているえいちゃんにドクドクと心臓の音が聞こえそうで少し離れた





『私なんてバカで不器用だから、毎日一緒にいたら嫌になっちゃうよ』




ってふざけたように自虐すると



離れたはずなのにさっきより更に近くなってるえいちゃんが真っ直ぐ私を見つめる







「俺は好きだよ、バカで不器用なお前」







と言い毛布で私を覆った


そのまま立ち上がってぺたぺたと裸足で部屋を出て行くえいちゃん





……え？？なにがおこったの？？(プチパニック)





その日の夜は一睡もできませんでした、と言いたいところだけどえいちゃんが出て行った後 秒で寝ました








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