あなたが私を葬る

１５話 ページ17

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『煉獄さん、私のこと知りたいとおっしゃいましたね……私は異能を持つ鬼です』


鬼は異能を持つ者がいる。
血鬼術と言われ、人喰いを重ねた鬼が行使できるようになる異能。鬼の外見と同じく、その能力は千差万別。鬼としての“力”の強弱は、年齢や鬼舞辻から分け与えられた血の量、個々の個体の才覚などにより左右される。


与えられた血の量は多く、私は血鬼術を獲得した。

戦いに特化した者が多い中で、私の異能は精神的で面妖な術だ。


『私の異能は、相手の心を堕落させる。心の弱い人には甘い毒。ひどい時は私に陶酔する』


魅力や魅惑とは少し違う。
弱った今でも、相手の欲を刺激することはきっと無理じゃない。

………この人にそんなことしたくない。



「うむ……心の強さには自信がある」

なんとも武闘家らしい返答が来た。

「俺にとって君の血鬼術の害はない。むしろ心が休まる」




そう言われても、こっちは不安だ。

『弱いですけど、もしもの事があったら』


感情的になった私の口を止めるように、彼は言う。


「血鬼術は能力者が不能になれば、効果は切れるものがほとんどだそうだ」



＿＿＿＿＿＿＿俺は君に屈したりはしない。




ああ、そうだ……この人はこういう人なんだ。

誰よりも熱く、誇り高き精神を持つ者。

この人の心は絶対に冒せない。

冒そうとするのなら、きっと私は一瞬で燃やされてしまう。




『あなたの方こそ、私よりずっと強い』


縁側のふちに私は腰を下ろす。


なぜそうまでして、強くあろうとするのか。





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＿＿＿＿＿＿煉獄さん、私もあなたの事が知りたい。

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