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黄side
控室に4つ用意されたソファ。一つには蒼白な顔した大我が。もう一つにはなぜか冷えピタ貼って火照った顔した慎太郎。そして、その側には項垂れて座っいる樹。
樹の瞳に一切の光がなくて。きえてしまいそうな、そんな怖さがあった。
空いているソファーにジェシーを寝かせるマネージャーを尻目に、俺は樹に駆け寄る。
「樹?どうした?」
「あっ、こーち。おはよ。慎太郎高熱でね、きょもも貧血でフラフラしてて眩暈酷いみたい。てかジェシーどうしたの?体調でも…」
「樹っ!みんなのことはいい。お前がしんどそうだからどうしたのかって聞いてんの。体調悪い?」
「いや、あ、違くて。体調わるくない。あの、2人の面倒みてたんだけど2人とも寝ちゃって、1人になったら頭の中北斗のことでいっぱいになって離れられなくて。個人仕事しててもずっとそうで。…だからちょっとぼーっとしちゃってただけ。ほんとごめん。俺はちゃんとやるから。」
はぁ。何が“だけ”だよ。それが一番辛いじゃん。今だって回らない頭で必死に喋ったんだろう。樹にしては珍しく言葉が拙い。
でも、北斗のことを考えないようにする方が無理だ。そう思ってしまう俺は樹にかける言葉が見つからなくてただただ樹の薄い背中をさすった。
「いけそうならそろそろ準備しよう。どうする?」
やらせるべきじゃないなかもしれない。心も身体も打ちのめされてるこいつらに、仕事しろだなんて酷な話だろうとも思う。でも北斗が居ないことを誤魔化しながらスケジュールを組んでる今、穴をあけたら仕事が回らなくなる…
「やろ。俺は平気だし。慎太郎も樹もジェシーもプロなんだから。」
「っ大我!」
足を上げて寝ていたはずの大我が、しんどそうにしながらも自力で起き上がる。大我が言う“プロ”という言葉に、背中を押された気がした。
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jurimomo0618(プロフ) - いつも更新楽しみなしてます‼︎ (2022年7月18日 22時) (レス) @page33 id: bbafa7c774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひいらぎ | 作成日時:2022年5月11日 22時