百日草 (ページ18)

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黒side

２週間後。ツアーが始まったらオフなんか作れないからと、マネージャーさんが気を利かせて作ってくれた1日オフ。入院はその日だ。

ツアー行けるかな。俺、ﾀﾋぬのかな。余命宣告とかされちゃうのかな。SixTONESでいられるのかな。

たった数時間で色々なことが起きすぎて心が鎮まらない。結局一睡もできないまま翌朝を迎えた。

どんなに疲れていても、どんなに不安でも。仕事は変わらずある。ありがたいことだと思う。仕事をしてなきゃ調子悪くなるタイプのはずなのに、今日ばかりは行きたくないとおもってしまった。

ほとんど記憶のないまま仕事を終えて家に帰った。今日が個人仕事の日で本当に良かった。鏡で見た自分の顔色の青白さは、あの心配性5人をどうやったって誤魔化せないだろう。

昨日もらった大量の資料は読まないことにした。現実をみるのが怖い気持ちもあったし、これ以上絶望したくなかった。自分の左手を見て見ぬ振りしたように、俺はこのことを記憶の果てに追いやった。

いつも通りの日常。いつも通りの楽屋。

全てが尊く感じる。もしかしたら俺はこの日常を失うかもしれない。メンバーと過ごす時間が残り少ないかもしれない。そう思うと今この瞬間が幸せすぎて泣けてくるんだ。

俺の人生が決まる検査入院。その日まで、とりあえず必死に生きてみることにした。