ー11話ー ページ12
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…………見られて、大丈夫だろうか。
今日会った彼の人も、幹部が新人を教育というのは珍しいらしい。
こんな新人が苦しそうな幹部を運んでいるところを見られたら、
幹部殺しとかそう云う勘違いをされるかもしれない。
不安に駆られながらも中原幹部を助けなきゃ、という思考から足を進めた。
「中原幹部…、安心してください、もうすぐ…、着きますから…」
流石体術使いというべきか中原幹部はかなり重かった。
早く着かないかな、と
…………待て。
其れよりも、医務室に連れて行った方がいいのでは?
此処からなら医務室も近い。
………
「何…、迷ってンだよ。」
「え?な、中原幹部?!」
中原幹部の声が訊こえた。
でも、息遣いも未だ荒くて苦しそう。
「喋っちゃ…」
「任務でも……、判断力は大事だ…
自分で決めてみろよ。」
………そんなの、ダメじゃないですか。
中原幹部は辛いのに。
「取り敢えず、医務室に行きますね。
辛いと思いますけど、安心してください。私が何とかしますので!」
そういうと中原幹部はさっきよりも安心した顔になった。
でも、中原幹部は熱くて、苦しそうで、とても風邪とは思えない。
私は余計に足を走らせた。
ーーーーーーーーーーーーーー
「………あのっ、中原幹部は…」
医務室を覗き、そう云う。
すると誰かがこちらに歩いてきて
「もう大丈夫だ。ただの風邪だからね。」
と云われる。
「ただの風邪とは思えないです、本当に風邪なんですか。」
本当に、酷かった。
風邪とは思えないくらい苦しそうで。
其れこそ何かの病気かもしれない。
「…………本当に、」
「教えてください。心配なんです。」
もし、本当に風邪なら其れでいい。
こうすれば本当のことを訊き出せると思った。
此処で風邪だ、と云われれば私は出て行くから。
「……………中也さんに、止められていてね。
幹部命令だから、云えないんだ。
でも、ちゃんと治るものだから安心してくれ。」
その人の目は、本当に真剣で嘘があるとは思えなかった。
「わかりました。
ぜっっっったい!治してください!」
その人の手を握る。
「えっ?あぁ、…うん。」
そう云って彼は扉を閉めた。
…とは云っても心配は心配だ。
毎日幹部室で中原幹部を待っておこう。
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ぜっけん - ( ・´ー・`)どやwさん» ありがとうございます笑文才に関して誉めていただけるのは凄く嬉しいです (2022年7月13日 22時) (レス) id: 841a07ca48 (このIDを非表示/違反報告)
( ・´ー・`)どやw - ヤバいって、すごいってことです。誤解を生む言い方をしてすみません(汗) (2022年7月11日 19時) (レス) id: 4e2cb1d965 (このIDを非表示/違反報告)
( ・´ー・`)どやw - 面白い・・(泣)文才が、やばい、とにかくヤバい。(語彙力無)w (2022年7月11日 19時) (レス) @page9 id: 4e2cb1d965 (このIDを非表示/違反報告)
ぜっけん - L I L Aさん» 有難うございます!此れからも更新頑張りますね! (2022年7月2日 0時) (レス) @page2 id: b6402c5da7 (このIDを非表示/違反報告)
L I L A(プロフ) - 作者さん、神ですか…!?中也推しなので本当に嬉しいです!これからも更新がんばってくださいね! (2022年6月25日 20時) (レス) id: 8b9ff3bd71 (このIDを非表示/違反報告)
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