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「 何故、ぼくが 貴女に 怒らない といけない のですか? 」

『 え?いや、だって、此れ迄 出会って きた人 は皆んな、“ 命を 大切にしろ ” とか “ お前より 辛い人は もっと 居る ” とか 言うから…

貴方も、そうなのかな って 』

「 成程。

確かに、命は 尊い 物 だとは 言われて いますね。

ですが、貴女は 何も 悪くない でしょう? 」

彼は 右手を 顎に 当てて、少し 考える()振りを した後、そう 言った。

“ 何も 悪くない ”

其の 言葉が 酷く 暖かく 感じた。

たとえ、見知らぬ 露西亞人 からの 言葉 だった としても。

たとえ、私を励ます為の お世辞 だった としても。

今度は、違う 意味の 涙が 頬を 濡らす。

涙や 鼻水で ぐしょぐしょの 私を 嫌がる事も 無く、彼は 私の事を そっと 優しく 抱擁した。

『 私、悪い子 じゃないの? 』

「 ええ、勿論 です。貴女には 罪 も 罰 も無い。 」

『 ありっ、がと、有難う、有難う… 』

しゃくれながら必死に彼に感謝を述べる。

彼の顔を 見る と、美しい 瞳を 細め、優しく 微笑んでいた。

嗚呼、なんて 妖美 で、艶やか なんだろう。

無意識に、私の手が 彼の顔に 伸びた。

そっと 彼の頬に 手を 添えると、彼は 少し 吃驚した後、又 優しい微笑みで 私を見つめ、彼も 同じように 私の頬に 触れた。

すると、彼は 私の顔に 近づき、流れるように、触れる 接吻(キス)をした。

今迄で、一番 誠実で、甘美な 接吻(キス)

私は 唯、美しい 彼に、ずっと囚われ(見惚れ)ていた。

「 ぼくの 所に 来ませんか? 」

『…貴方の、所? 』

私の 脳は とろとろ 溶けて、もう、正常な 判断 なんて 出来なくなっていた。

「 ええ。

ぼくの所に 来てください。そうすれば、貴女に 害なす物は 何一つ 有りません。

どうですか? 」

“ どうですか? ” 何て 聞く 癖に、拒否権は 無いらしい。まぁ、元々 断らない つもりだった けれど。

私は彼に、承諾の意を 込めて 深く 頷いた。


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かふかねこ。 - うさまるさん» コメントありがとうございます。ちょっと大人っぽめを意識しているので嬉しいです!(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝) (4月21日 9時) (レス) @page13 id: a44144ac65 (このIDを非表示/違反報告)
うさまる - えっっっっっっっっっっっっろ(;゜∇゜) (4月19日 16時) (レス) @page13 id: 4c17b50875 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かふかねこ。 | 作成日時:2024年2月24日 20時

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