検索窓
今日:35 hit、昨日:64 hit、合計:6,563 hit

ページ3

.


踏切が 降り始めた 頃、私は 線路へ と 足を 進めた。

何故 だろう。やけに 喜ばしい。嬉しい。

“ 死 ” が 無性に 美しく 見える。輝いて 見える。

遠くに 光る 電車の 真っ白の 光 が、近づく に 連れて、胸が 高まる。

私の ほぼ 目の前 に 電車が 迫っている 時 だった。

ぐいっ、と強い 力 で 道路側 に 引き寄られた。

電車は 線路を 走り、私を 轢き殺す 事 無く 去っていった。

なんで?死ねなかった?誰か に見られてた?なんて、沢山 の 考え が 脳裏 を 過ぎり、私 を 絶望 させた。

誰 なのか、焦って 後ろ を 振り返る と、其処 には 奇麗な人 が 立っていた。

頭には ふわふわの 帽子を 被っている。テレビで 見た事が 有る、露西亞帽。

明らかに 日本人 では 無い から、嗚呼、露西亞 の 人 か、と 納得する。

抜ける ように 白い 肌も 決め手 になった。

肩に 着くか 着かない かくらいの 黒髪。お手入れ しているのかな、サラサラ。

相手に 顔を 覗き込まれ、紫水晶 の瞳と 目が合う。アメジスト みたいに 奇麗なのに、どこか 闇 を 感じる 瞳。

口は 緩く カーブ を描いていて、優しく 微笑んでいる。が、何処か 胡散臭くて、何処か 引き込まれそうに なる 笑み。

後ろ の車 からの クラクション で、漸く、はっ、とする。

ど、如何しよう。取り敢えず、此処から は 離れた 方が 良いよね。

『 えと、えっと…あ、あっち! 』

日本語 が 通じるか 分からない から、左手で 相手の手を 握り、右手で 近くの公園の方 を 指差した。

そうすると、相手に 通じた のか、目を 細めて 頷いた。頷いた時、さらり、と黒髪が 耳から 流れ、艶やかな 様子に 少し 見惚れて しまった。

その 様子を 不思議に 思った のか、相手が 首を 傾げ、私の 様子 を探るように 見つめた。

『 な、何でも 無い です ! 』

ふるふる、と首を 振り、『 と、言っても 伝わりませんよね。 』ぽつり、と呟く。

相手の 手を 引いて、公園へ 向かう。

少し 歩いた 先に、目的地 の 公園が 見えてきた。

“ ここが目的地です ” という事 を 知らせる 為に、公園を 指差した。

そうすると、また 相手も 同じ ように 頷いた。

公園の 中 に 入ると、街灯に 遊具が ふんわり と 照らされ、誰一人 も 居なかった。


.

3→←1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
79人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かふかねこ。 - うさまるさん» コメントありがとうございます。ちょっと大人っぽめを意識しているので嬉しいです!(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝) (4月21日 9時) (レス) @page13 id: a44144ac65 (このIDを非表示/違反報告)
うさまる - えっっっっっっっっっっっっろ(;゜∇゜) (4月19日 16時) (レス) @page13 id: 4c17b50875 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かふかねこ。 | 作成日時:2024年2月24日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。