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踏切が 降り始めた 頃、私は 線路へ と 足を 進めた。
何故 だろう。やけに 喜ばしい。嬉しい。
“ 死 ” が 無性に 美しく 見える。輝いて 見える。
遠くに 光る 電車の 真っ白の 光 が、近づく に 連れて、胸が 高まる。
私の ほぼ 目の前 に 電車が 迫っている 時 だった。
ぐいっ、と強い 力 で 道路側 に 引き寄られた。
電車は 線路を 走り、私を 轢き殺す 事 無く 去っていった。
なんで?死ねなかった?誰か に見られてた?なんて、沢山 の 考え が 脳裏 を 過ぎり、私 を 絶望 させた。
誰 なのか、焦って 後ろ を 振り返る と、其処 には 奇麗な人 が 立っていた。
頭には ふわふわの 帽子を 被っている。テレビで 見た事が 有る、露西亞帽。
明らかに 日本人 では 無い から、嗚呼、露西亞 の 人 か、と 納得する。
抜ける ように 白い 肌も 決め手 になった。
肩に 着くか 着かない かくらいの 黒髪。お手入れ しているのかな、サラサラ。
相手に 顔を 覗き込まれ、紫水晶 の瞳と 目が合う。アメジスト みたいに 奇麗なのに、どこか 闇 を 感じる 瞳。
口は 緩く カーブ を描いていて、優しく 微笑んでいる。が、何処か 胡散臭くて、何処か 引き込まれそうに なる 笑み。
後ろ の車 からの クラクション で、漸く、はっ、とする。
ど、如何しよう。取り敢えず、此処から は 離れた 方が 良いよね。
『 えと、えっと…あ、あっち! 』
日本語 が 通じるか 分からない から、左手で 相手の手を 握り、右手で 近くの公園の方 を 指差した。
そうすると、相手に 通じた のか、目を 細めて 頷いた。頷いた時、さらり、と黒髪が 耳から 流れ、艶やかな 様子に 少し 見惚れて しまった。
その 様子を 不思議に 思った のか、相手が 首を 傾げ、私の 様子 を探るように 見つめた。
『 な、何でも 無い です ! 』
ふるふる、と首を 振り、『 と、言っても 伝わりませんよね。 』ぽつり、と呟く。
相手の 手を 引いて、公園へ 向かう。
少し 歩いた 先に、目的地 の 公園が 見えてきた。
“ ここが目的地です ” という事 を 知らせる 為に、公園を 指差した。
そうすると、また 相手も 同じ ように 頷いた。
公園の 中 に 入ると、街灯に 遊具が ふんわり と 照らされ、誰一人 も 居なかった。
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かふかねこ。 - うさまるさん» コメントありがとうございます。ちょっと大人っぽめを意識しているので嬉しいです!(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝) (4月21日 9時) (レス) @page13 id: a44144ac65 (このIDを非表示/違反報告)
うさまる - えっっっっっっっっっっっっろ(;゜∇゜) (4月19日 16時) (レス) @page13 id: 4c17b50875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふかねこ。 | 作成日時:2024年2月24日 20時