検索窓
今日:50 hit、昨日:64 hit、合計:6,578 hit

ページ11

.


突然の 予測も 出来ない様な 行動に、目を ぱちくりさせてしまう。

『 えっと、如何されました…? 』

話し掛けても 唯 手を にぎにぎされるだけ。

無視されてる…!?

戸惑い乍も 彼の 方を 見ると、心做しか むすっとして居る様に 見えた。

お、怒ってらっしゃる。

『 わ、私、何かしてしまいましたか? 』

何か 気に 食わない事 しちゃったのかな。

嫌われてしまったのかな。

捨てられちゃう?

折角 私を 認めてくれる 人を 見つけたのに。

思わず、涙が 出た。

泣いちゃだめ。もっと 嫌われちゃう。

そう 思って 涙を 止めようとするけど、余計に 暗い 考えが 過ってしまい、どんどん 溢れる。

涙で 揺らぐ 視界で 彼を 捉えると、紫水晶の 瞳を 少し 見開き、此方を 少し 戸惑った様に 見ていた。

『 ごめ、なさ、御免なさいっ… 』

私が 涙乍に 謝罪を 伝えると、たっぷり 数秒 漸と 彼は 口を 開いてくれた。

「 …何故、泣いているのです? 」

『 きら、われちゃったっ、て…思って… 』

目元を 擦り乍 伝えると、彼は 大きな 溜息を 吐いて、此方に 向き直った。

「 本当に、調子が 狂ってしまいますね。貴女と 居ると。 」

彼は、未だ 理解しきれない 私の 目元に 溜まった 涙を 指で 拭った。

「 そんなに 擦ってしまって…痛いでしょう。 」

急な 優しい 手付きと 態度に 安心して もっと 涙が 溢れてしまう。

『 私の事、嫌いじゃない? 』

「 当たり前でしょう。 」

そう言うと、彼は 私の 額に 優しく 接吻(キス)を 落とした。

「 …少しだけ、妬いてしまったのです。ぼくの Aさんが ()の 人に 手を 握られている事に。 」

『 ドストエフスキーさんも、やきもちするんですね。 』

「 悪いですか? 」

私は 首を 横に 振った。嬉しかったから。

唯、ドストエフスキーさんにも、そんな 人間らしい 所が 有るんだなぁ と思っただけだ。

『 嫌われてなくて善かったぁ… 』

「 嫌う訳 無いでしょう。 」

大きな 掌で 私の 頭を 撫で、私を 落ち着かせる様に そう囁いてくれた。

「 さぁ、朝食にしましょう。 」

『 朝食… 有難う御座います。 』

確かに お腹が 減ってしまっていた。

そして、此の タイミングを 見計らった様に、扉が 開き、頭に 包帯を 巻いた 男の 人が 持って 来てくれた。

「 どうぞ。 」

『 あ、有難う御座います… 』

其れだけ 言って ご飯を 机に 置き、其の 男の 人は 部屋から 出て 行った。


.

10→←8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
79人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かふかねこ。 - うさまるさん» コメントありがとうございます。ちょっと大人っぽめを意識しているので嬉しいです!(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝) (4月21日 9時) (レス) @page13 id: a44144ac65 (このIDを非表示/違反報告)
うさまる - えっっっっっっっっっっっっろ(;゜∇゜) (4月19日 16時) (レス) @page13 id: 4c17b50875 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かふかねこ。 | 作成日時:2024年2月24日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。