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人生生きてくにはAボタンだね ページ39

「……」

「「「……」」」


白髪の男が言ったセリフを最後に、私たちの間に妙な沈黙が流れ続けている。その間も、周りの人たちはなんだなんだと、少し遠慮気味の視線を私たちに向けている。

その沈黙を最初に破ったのは、私の方だった。



「えっもう何も言うことない?」


目を丸くしてそう言う私に、向かいの3人も目を丸くする。


「じゃあ、私たちこれで失礼シマース」

「おいおいおい!まだ会って1分くらいしか経ってないだろ!」


私と武蔵が早々にその場を立ち去ろうとすると、白髪の男が見た目にそぐわない程の慌てっぷりを見せてくれた。


「まだなんかあんの?」


機嫌悪そうに私が彼らに目を向けると、3人中2人がうぐっ、みたいな表情をする。


「ないでしょ、サヨナラ。2度と私の前に現れてくれんな」

「それは無理かな?」

「は?」


白髪の反論に、私も威圧的に反論(?)する。


「何をそんなに急ぐ必要があるの?久しぶりの再会だわ、ゆっくり話しましょうよ!」

「うるせぇ寄んな、ペチャパイ」


その言葉に黒髪の女は一瞬固まり、なんですって!?と、キーキー喚き始める。
それを後ろの無口の男が取り押さえている間に、白髪が私に話しかけてくる。


「僕らは君と、ちゃんと話をするために来たんだ」

「こっちはそんなこと望んどらん」

『ああ言えばこう言う…!』


相手が相当苛立っているのが私もわかったが、こいつらが怒鳴ったところでさほど怖くない。


「僕も言うけど、今急いでるの?なんでそんなに僕らを露骨に嫌がるんだよ」

「え!嫌がられてるって自覚あったんだ!」

「当たり前だろ!

で、急いでるの?」


男は額にムカつきマークを浮かべてキレた。
そして私は、律儀に男の質問に答えようとする。

総悟と待ち合わせしてるけど…


「…便所行きてぇんだよ!!」

「女だろ!トイレって言えよ!!」


どうでもいいツッコミに私は更にイラついてしまった。


「へいへい、じゃートイレ行きたいんですー」

「その顔腹たつ」


さすがにもう疲れたのか、無表情になっている。そして、最後の力を振り絞ったかのように、表情をキリッとさせる。


「じゃあ、今日はこれで去るとしよう。でも、次会った時は、僕らの相手してもらうから」

「え、やだ」

「即答かよ!!」

「さよならー」


私は武蔵に飛び乗り、猛ダッシュでそこから立ち去った。


「行かせてよかったの?」

「うん。どうせ、また会うことになるからね」

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カクテル - 面白い (2017年8月28日 12時) (レス) id: 80b20f5b9c (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - 神威、沖田の小説もっと見たい!! (2017年5月3日 12時) (レス) id: 19fee232b2 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - 面白い! (2017年5月3日 12時) (レス) id: 19fee232b2 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - めっちゃ面白いです!じゃすとみーと!!ヒロインちゃん食レポ上手ですね(笑) (2017年4月27日 19時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮姫百合桜 - 、、、神同然ですね!これからも頑張ってください (2017年4月26日 10時) (レス) id: 740b7f73f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:辻本ロサンゼルス | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年4月25日 23時

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