【銀魂】君/お前のハートにじゃすとみーと！【沖田総悟】【神威】 (ページ35)

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世の中の学生よ、朝食を食え！ページ35

朝6時。昨夜に存在した騒がしさは、今になってはとうに消えていた。朝日が差し込む静かな部屋で、私は1人、彼らを見つめていた。

目の前の彼らは笑っている。そこに私は、場違いのような無表情で、立っていた。

少し握りしめた写真の端にしわができる。

「許さない、許すはずなんか、ない」

私はそれを、引き出しの中に乱暴にしまいこんだ。

＿＿＿。

今日は総悟と約束した日だ。朝食を取ったら屯所へ行こう。

「鴉織、お茶入れてくれる？」

「わかった」

朝7時。朝食の準備をする。

「鴉織ー。目玉焼きパンにのせる？別々にする？」

琥珀が机によじ登ろうとしているのを必死に抑えている鴉織が首だけこちらに向ける。

「うーん。今日は別々でいーや。俺、いちごジャムね」

「りょーかいっ」

ジュッとフライパンの上で音を立てたアスパラたちを端に寄せ、空いた部分に卵を割り入れる。

フライパンのふたを閉めて、２～３分蒸し焼きにしたら、ふたを取ってバター、塩、こしょうを全体的にかける。

お皿に盛って、上からパルメザンチーズをふりかければ……

「よしっ。完成～」

バターの香りが部屋中にふんわり漂って、食欲をそそる。

事前に作っておいたトマトと玉ねぎのスイートマリネも一緒にお盆に乗せ、机に運ぶ。

「お待たせ。本日の朝ご飯は……

アスパラのバター焼きとやわらか目玉焼き。
トマトと玉ねぎのスイートマリネです」

お皿を鴉織の前に並べる。彼は瞳をキラキラさせていた。

「いただきます！」
「いただきますっ」

「久しぶりのねーちゃんの朝ご飯だ……！」

そう囁きながら、卵の黄身を割り、その黄身がかかったアスパラを口に運ぶ。

「んっ。絶妙な塩加減にちゃんとこしょうが効いてる！卵とろとろで美味い！」

幸せそうに食べる鴉織を見てこっちまで幸せな気分になる。食パンにいちごジャムを塗って、鴉織の前に差し出す。

「ねーちゃんお手製のいちごジャム……。我が家に帰ってきたって感情が湧いてくる……」

確かに、昨日は色々バタバタしてたからなー。

「あ、そうだ。今日さ、出かけるから」

「……昨日の赤い瞳の人？」

「そ。よくわかったね」

鴉織は頬張ったパンをゴックンと飲み込んで、

「なんとなく？」

そう、口元を軽く拭いながら返事をした。

「鴉織」

「なに？」

トマトを口に運んでいる彼を見つめて、私はこう言った。

「今日は……なるべく家から出ないようにして」