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人生はフライングが大事 ページ33

「「……」」


2人の間にしばしの沈黙が走る。

金縛りにあったような時間を再び元に戻したのは、彼の方だった。


「でも、赤い瞳をもつ人は、とても強い人って、ねーちゃんから教えられた」


瞳は、綺麗な黄色に戻っていた。あの一瞬の出来事はなんだったのか、息苦しくさえ感じられた。


「……そーですかィ」


その言葉を言うのが、精一杯だった。


「あ、あと」

「?」

「赤い瞳と、同じくらいの強さが、

青い瞳なんだ」

「!」


その言葉に再び心臓がドクドクと音を立てる。青い瞳……。アイツしか思い浮かばねェ……。

モヤモヤと考えていたら、


「鴉織、何言ってるの」


Aが帰ってきた。

彼女は少し、寂しそうな顔だった。


「瞳の色のことについて、この人に話してた」


Aはチラと俺を見て、「そっか」と一言。


「ねーちゃん、この人強い?」


少年が俺を指さしてAに聞く。

何よりも驚いたのは、Aの顔だ。


「強いよ。怖いくらいにね」


そう言った彼女の顔は、これ以上ないほど凛々しく、真っ直ぐに、俺を見つめてきたのだ。


「えー?ねーちゃんとどっちが強い?」

「さあね。やってみないとわかんないな」


Aはそう言って、部屋の中に足を踏み入れ、みんなの元へ寄っていく。


「はいみなさーん。そろそろお開きにしますよ」


泥酔し始めた土方さんや旦那をたたき起こしていくA。


「明日仕事あるんじゃないですか?」

「世の中フライングばっかりだぁーっ!」

「寝ぼけてるんですか」


唐突にわけのわからないことを叫びだした旦那を新八くんに渡す。


「十四郎さんは自分で歩けますよね?」

「ったりめーよ!あんな野郎と一緒にすんじゃねっぞ」

「土方さんもかなり酔ってるように見えますがねィ」


俺は土方さんの腕を肩に担ぐ。


「んじゃ、俺たちァ失礼しやすぜ」

「あ、うん。遅くまでありがとう」

「それァこっちのセリフでィ。おかげで楽しかったからなァ」


玄関まで見送ってもらい、Aに背を向けて歩き出したら、


「ねぇ」


Aに声をかけられた。土方さんの頭の隙間からAを見つめる。何かと、彼女が口を開くのを待っていた。すると、


「……

明日、約束の日」

「!」


Aは短くそう言った。

途中の間や、その言葉を口にするまで目を伏せていたのが気になるが、俺は気づかない振りをした。


「町案内、してくれる?」

「もちろんでさァ」



「……ありがとう」

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カクテル - 面白い (2017年8月28日 12時) (レス) id: 80b20f5b9c (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - 神威、沖田の小説もっと見たい!! (2017年5月3日 12時) (レス) id: 19fee232b2 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - 面白い! (2017年5月3日 12時) (レス) id: 19fee232b2 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - めっちゃ面白いです!じゃすとみーと!!ヒロインちゃん食レポ上手ですね(笑) (2017年4月27日 19時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮姫百合桜 - 、、、神同然ですね!これからも頑張ってください (2017年4月26日 10時) (レス) id: 740b7f73f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:辻本ロサンゼルス | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年4月25日 23時

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