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売られた喧嘩は…買わないで全力で逃げましょう ページ15

「武蔵、刀」

「キュ」


「総悟、刀」

「へい!」

「違う、これ山崎のミントン」


そんなこんなで色々あって、これからニコチン野郎さんと殺し合い。いつもの刀を武蔵から受け取って、刀を抜く……のが普通なのだが。


「あ、ごめんなさい。私、刀、鞘から出せないんだ」


自分の刀を見つめてそう言うと、総悟さんとニコチン野郎さんが目をぱちぱちさせてこちらを見てくる。


「はぁ?殺し合いだっつったのテメーだろ。鞘に入れたまんまじゃ__」

「ごめんなさい。でも、これだけは譲れない」


ニコチン野郎さんの言葉を遮り、ギュッと刀を握りしめる。


「あー……へいへい。ったく、最近のガキはわがままばっかだな」

「ありがとう」


私がそう言うと、ニコチン野郎さんはフン、と言い刀を構えた。私も、彼にならって自分より長い刀を構える。


「じゃー始めるか」

「そうですね。ニコチン野郎さん」

「さん付ければいいってもんじゃねぇって」


「「……」」


一瞬にして、人影が消えた。


ガギィンッ!!


鈍い金属音が、曇天の地に響き渡る。お互いに敵意を剥き出しにした笑みを向けてしのぎを削り合う。


「なんだぁ?テメェ、ほんとにガキか?」

「ガキですよ。貴方より9歳年下の」

「9歳年下?俺と同い年じゃねェか」


ガンッ!とニコチン野郎さんを吹き飛ばす。流石の彼もその程度では倒れてくれない。


「やるじゃねぇか」

「ニコチン野郎さんこそ」


「「オラァッ!!」」


____。


「私の勝ちでいいですね」

「すっげぇ……!A!やっぱお前は俺のタイプにジャストミートでさァ!」

「うわっ!?」


縁側に座ってた総悟さんが私に勢い良く抱きついてきて、彼の香りが私の体を包む。それがなんだか妙に居心地よくて、振りほどくことが出来ずに、そのままの状態でニコチン野郎さんと会話する。


「ハッ……。強ぇな、お前。今日のところはこの辺にしようぜ」

「手、抜いてましたか」


よっこらせとニコチン野郎さんは立ち上がり、私の質問に答えず、背を向けて歩き出した。

と思いきや、止まった。


「そうだ。お前、名前なんつったっけ」

「!……宮本、宮本Aです」


彼はタバコを吸い始めた。立ち上る煙がゆらゆらと揺れる。


「宮本か……。俺は土方十四郎。断じてニコチン野郎じゃねぇ。覚えとけ。あと、出入り自由、許可してやるよ」

「……!ありがとう!十四郎さん!」


そうして彼は手を軽く振って、私たちの前から去った。

髪質って色々あるよね→←売られた喧嘩は買うのが礼儀ってもんでしょ!



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カクテル - 面白い (2017年8月28日 12時) (レス) id: 80b20f5b9c (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - 神威、沖田の小説もっと見たい!! (2017年5月3日 12時) (レス) id: 19fee232b2 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - 面白い! (2017年5月3日 12時) (レス) id: 19fee232b2 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - めっちゃ面白いです!じゃすとみーと!!ヒロインちゃん食レポ上手ですね(笑) (2017年4月27日 19時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮姫百合桜 - 、、、神同然ですね!これからも頑張ってください (2017年4月26日 10時) (レス) id: 740b7f73f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:辻本ロサンゼルス | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年4月25日 23時

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