【ツイステ】続・夢の中で不思議な子どもと逢う話【男主】

少年と赤薔薇の庭園 ページ7

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「すぐにはきっと難しいと思う。君はきっととても真面目で優しい人だから、お母さんのことを想って、将来のことを思って、苦しくなる時もあると思う。

けど」


そう言いかけた時だった。



ビュン！と顔のそばに突風が走る。


「あの人です！あの人が私のリドルをーー！」

「そこのお前！少年を離しなさい！」


思ったより見つかったのが早かった。
まだまだ言いたいことがあったのに。

警察らしき人とリドルくんのお母さんの横には、緑の髪の男の子と猫耳の生えた男の子も立っている。
もしかしてあれがトレイくんとチェーニャ君とかいうリドルくんのお友達だろうか。


「リドルを返して！！」


泣き叫ぶお母さん。

俺は至極悪い顔で言い返した。


「返すものか！ 俺は大切にされていない子を攫って裏市場に売っぱらってやるんだ！大切にされていない子なら、いなくなっても大事にならないからな」

「大切にしてるわ！リドルのことを思って、リドルの将来を思って…」

「けど、俺が見た時この子は笑っていなかった。お前のルール(・・・)とやらにガチガチに縛られて、笑顔のひとつも出来なくなっていたんだ！

人の笑顔を奪うようなルールなんて、存在してはいけない！！」


そう言い切り、リドルを抱えようとする振りをする。

すると、また突風が飛んできて、リドルへ伸ばした手が振り払われた。


「大人しくその子を返しなさい！」

「嫌だね」

「抵抗するならこちらも容赦しないぞ！」

「やれるもんならやってみろよ」


リドルは俺とお母さんの方をしばしば見て、複雑そうな表情を浮かべている。



「リドル」


リドルが俺の方を向く。



「君の優しさを利用してごめん。けど最後に一つだけ知っておいて欲しいんだ」



「リドル、君にはなんでも自由にできる権利がある。君がしたいと思うことを止めることは、誰にもできない。誰でも、止められないはずなんだよ」



時間(・・)だ



身体が端から粒子へと姿を変える。

突風が直接俺に届くその直前に、リドルを見て言った。





「ありのままの姿でいられるのが一番いいよ。俺はもう出来なくなってしまったから」



それを最後に、視界は真っ白に染まった。



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