少年と茨の心 ページ12
▽
「そういえば、おぬしはマレウスを見て恐がったりせんのう」
マレウスさんを、恐がる…?
ちらっとマレウスさんを見ると、マレウスさんはリリア、とリリアさんを呼び止め、俺と目が合うと複雑そうな表情を浮かべた。
「すまんすまん。若人よ、おぬしはそのままであれば良い、ということじゃ」
どこか気まずそうにする二人に、俺は言った。
「マレウスさんはとってもかっこいいとは思いますけど、恐くなんかないです」
マレウスさんの目が見開かれた。
「おや…」
「お茶会に誘ってくれたのもマレウスさんですし、それに俺の世界では角のある人なんて漫画でしか見たことがないから」
「それに、優しくしてくれた人を恐れることなんてありません」
そう言い切ると、リリアさんとマレウスさんは目を見合わせて、リリアさんはマレウスさんに優しげな目を向けた。
改めて思い直して、高貴な人とかで失礼だったかな、と思ったけれど、マレウスさんがくふくふと笑いだしたので大丈夫だったようだ。(と信じたい)
「客人よ、お前は面白い。闇に満ちていると思いきや、その心はまだ光を失っていないのだな」
「?」
「気にするな。リリアの言う通りだ。客人よ、どうか
さすれば、僕も僕でいることが出来る」
「わしからも素敵な客人に一言申し上げよう。
くれぐれもその光を喪うでない。おぬしの光は一等素敵じゃからのう。我々を虜にするくらいじゃって。
また光を喪うようなことがあれば、此処に来るが良い。また三人でお茶会をしよう」
俺が感じるのと同時に、リリアさんが言った。
「そろそろ
突然マレウスさんが俺の目を見て尋ねる。
「お前は他の世界に行けるとして、その代償を払う覚悟があるのか」
俺は
「本当に世界を変えられるのなら、僕のどんなものでも上げます。
だって夢の世界にしか居場所のない俺なんて、現実では死んでいるもおなじだから」
「そうか。ではお前に
そう言われるが否や、額にマレウスさんの唇が触れた。
「人の子よ。さぞかしいい夢を」
「またお茶会に来た際にはおぬしのせかいの漫画とやらを教えてくれ!知りたくてしょうがないのじゃ!」
和やかな二人に手を振りながら、視界はまた光の粒子に包まれていった。
。
562人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ババロア - とてもこの作品📒🔖が好き😻🫶💕です❣️無理せず更新🆕頑張ってください‼️ (1月2日 11時) (レス) @page19 id: 8d5fad07b1 (このIDを非表示/違反報告)
とまとじゅうす - アーーーーーーーー!!!!!!!!!!!好きーーーーーーーーーーーー!!!!(唐突な告白)続きが気になりすぎて夜しか眠れません!!更新楽しみにしてます!! (2023年4月16日 12時) (レス) @page19 id: a1abbce39e (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します!こういうの初めて見ましたけどめっちゃ好きです!夢主の愛されいいですよね!私愛され大好物なので嬉しいです!無理せずに頑張ってくださいね! (2023年3月19日 6時) (レス) @page19 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
もぶ(プロフ) - この作品大好きです!何回も読ませて頂いています。更新待ってます! (2022年8月6日 17時) (レス) @page19 id: 38a56b994f (このIDを非表示/違反報告)
洸 - 上手く言えないですけど、今までにない素晴らしい作品だと思います。続きが気になって仕方ありません…。必ず読みますので、更新していただけないでしょうか。 (2022年4月28日 20時) (レス) @page19 id: 7c958e334b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きさらぎはるか | 作成日時:2020年10月2日 19時