少年と悪巧み ページ43
▽
「クソッ、聞いてねぇぜこんなの」
追い詰められた頭領は壁際で荒い息をする。
「隊長。手配書通りです。スコルピオの頭領で間違いありません!」
「よし!お前ら捕まえろ!!!」
ただ、頭領にはユニーク魔法があった。
こちらへ向かってくる警備隊を見てニヤリと笑うと、その手を上に掲げた。
「掛かったな!俺の魔法で一網打尽にしてやる!」
たちまち巨大な岩が生み出され、走り寄る警備隊の真上に浮かんだ。
絶対絶命。
その時
「それがどうした」
その岩が一瞬で砂になる。
「レオナ王子!」
「俺が攻撃を防ぐ!その間に捕まえろ!一人も逃がすんじゃねぇ!」
ユニーク魔法が無と化してしまった頭領は唖然とする。
しかし、もう一度体勢を取り直し、次の岩の準備をする。
まさかスラムごときの要請に“第二王子”が出てくるとは。
嫌われているんじゃなかったのか?
相対する王子をキツく睨みながら、頭領は頭の中でそんなことを考えていた。
***
side:You
なんとか辿り着いたアジトは既にレオナ率いる警備隊のおかげで壊滅状態だった。
大きな広場みたいなところについて、影からそっと状況を伺う。
「おらぁあ!!」
「ふん!この程度か!」
そこではまさにレオナと頭領らしき人の一騎打ちが行われていた。
次々と投げつけられる岩をあっという間に砂にするレオナ。
後ろでレオナを見つめる隊員たちの目が憧れと畏敬に満ちているのを感じた。
頭領はもう息もたえだえという感じだ。
しかし、そこに一人の隊員がやってきて、隊長に伝令を伝える。
伝令の内容はわからなかったが、隊長含む隊員たち、そしてレオナも明らかに動きを止めた。
その隙を頭領は見逃さなかった。
おれだけが見ていたんだと思う。
僅かな時間で頭領の手のひらから人一人潰せるくらいの石が生み出され、それがこちらに向かって投げられた。
その先には、あのラギーくんがいる。
「危ない!!!」
間に合わない、どうしよう、ラギーくんが
突き飛ばされて、ラギーくんがこちらを振り返る。その驚愕に染まった表情が良く見えた。
その瞬間、世界がスローになった感覚がした。
岩が俺の真上でピタッと止まる。
どういうことなのか不思議に思ったが、チャンスと思ってラギーくんをそのまま岩が落ちてこないところまで押しやった。
暗くなる自分の身体。
覚悟を決めた。
。
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きさらぎはるか(プロフ) - 茶茶さん» その言葉が最高に幸せです!遅筆で本当に申し訳ないですが、できる限り頑張ります。読んでくださってありがとうございます!続編もお楽しみ頂けると幸いです! (2020年10月2日 19時) (レス) id: 25ad4ecffd (このIDを非表示/違反報告)
きさらぎはるか(プロフ) - アイトさん» 前から読んでくださってるとは本当に嬉しいです。ありがとうございます。遅くなりましたが続編作成致しましたので、そちらもお楽しみ頂けると幸いです!コメント励みになります! (2020年10月2日 19時) (レス) id: 25ad4ecffd (このIDを非表示/違反報告)
茶茶 - 遅れました?!続編おめでとうございます!!この作品めっちゃおもしろくて、大好きです!これからも、無理せず更新がんばって下さい! (2020年9月28日 22時) (レス) id: 0a249ceab0 (このIDを非表示/違反報告)
アイト - 作者様...爆死、ドンマイです。前々からこの作者が大好きで読ませて頂いていました。続編おめでとうございます。これからも楽しみにしています。夢主君ガンバレ...!! (2020年9月23日 18時) (レス) id: 480ca03fdd (このIDを非表示/違反報告)
S a t h i(プロフ) - いっぱい稼ぎますね( ^ω^ ) (2020年9月23日 18時) (レス) id: 34748ec2aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きさらぎはるか | 作成日時:2020年8月1日 19時