【ツイステ】夢の中で不思議な子どもと逢う話【男主】

少年と夢 ページ1

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夢は嫌いだ。

ああなったらいいのに、こうなったらどうなるんだろう、…なんて想像するだけ虚しい。
夢を見るのはそうなる可能性がある人だけだ。
【叶わない】という事実を叩きつけられて、それでも夢を見るなんて、プリンセスでもない俺には出来そうにもない。


けれど、夜が来る度、望んでなくても夢は見る。

傷が傷んで深く寝れていないからだろう。

特に今日ほど希望のない日はないというのに、眠りに落ちるとまぶたの裏にまた見たことの無い景色が広がった。
今日の夢は特段おかしかった。



＊



真っ白い空間。
俺の目の前に“誰か”がいる。
思わず身構えるが、そうだこれは夢だ、と思い直し、俺はその“誰か”をしっかりと見据えた。


『救えなかった世界を救いたい』


そう、“誰か”は喋った。

その瞬間、“誰か”は強く光り輝いた。


『救えなかった世界を救いたい』


光が収束し、今までぼやけて霞んで形もなにもわからなかった“誰か”に確かに形ができる。

男か女かも分からない、姿だって見ているはずなのに何故か認識できない。

ただ、俺はそれを“神”だとはっきりと認識していた。

不思議な感覚だった。


『救えなかった世界を救いたい』


神は言う。

お前のせいで何もかも上手くいかない癖に、お前が俺にそれを頼むのか。誰でもないこの俺に、『救え』と言うのか。
俺にそんなこと出来るわけがないだろう！！

凶暴な衝動が顔を出そうとするが、どうしてだろうか断ろうとして紡いだ言葉は言葉にならなかった。



夢はそこで終わった。



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