No.107 ページ28
イオリside
ロンがいつもの調子を取り戻し、エリスが一息ついたところで、ドアのノック音が聞こえた。
部屋主のロンが返事をすると、それは部下の海兵だった。
「エリス准将がこちらにいらっしゃると伺ったのですが…」
「あ、ここにいます！
ごめん、じゃあ私、仕事に戻るね！」
そう言うエリスに、それならおれも──…と言いかけたところで、「まァイオリは待てよ」とロンに止められて首を傾げる。
しかしそんなおれをよそに、あいつはエリスへ声をかけた。
「本当にありがとな、エリス。明日にでも本部に戻るよ」
「友達だったら、当然だよ！もっといてほしいところだけど…ロンにも立場があるもんね…」
それに、おれは苦笑する。
今までは色々と好き勝手してきたらしいロンだが、流石にトップが“あの”赤犬とあってはサボりも難しいと感じているらしい。
そもそもロンと新元帥殿は、あまり折り合いがよくない。Aも幼い頃に一悶着あったというが、ロンはロンで海兵になってから色々あったようだ。
「それじゃ、行ってくるね」
エリスはひらひらと手を振りながら部屋を出ていく。
そしてなぜかおれを引き留めたロンは、おれを正面のソファーへ促すので大人しく座った。
「珍しいな、おれだけに何か用なんて」
「そういやそうかもな。いや、実は前から聞いてみたかった事なんだけどよ」
「……エリスがいると不都合な事なのか？」
ロンはソファーに預けていた体を戻し、前屈みになってニヤリと笑いかけてくる。
その何かイタズラでも思いついたような笑みはいつも通りで安心するが、しかしとて何を言われるのかと顔が引き攣るのは仕方なかった。
「お前、エリスの事好きなんだろ？」
「ぶっ!?」
「汚ぇなおい…」
ぶっ込まれたのは案の定とんでもない内容だったが、思いがけなかった。まさかの恋バナなのだから。
動揺はしたがしかし、何とか冷静に努めようとする。
「な、何だよ、急に……。お前、そういう事話す奴だったか…？」
「いや、別に急でも何でもねぇだろ。イオリがあいつを好きなのは昔からだろ？それにここの部下達が、じれったいっつってるから、お前はどうかする気あんのかなって思っただけだって」
そう言ったロンの言葉を冷静に嚙み砕いて、徐々に理解していく。
…それはつまり、おれのエリスへの想いは、ロンだけじゃなくてここにいる皆にバレてるって事か…？
そう思った瞬間、頭が発熱したような気分になった。
.
続く (更新停止中)
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シルネ(プロフ) - れい！さん» ありがとうございます！一応完結まではまだ書くつもりでおりますが、長らくお待たせしてしまっていて……申し訳ありません。お待ちくださると幸いです。これからもよろしくお願いします！ (2022年10月1日 17時) (
レス) id: 8277e16aa6 (このIDを非表示/違反報告)
れい！(プロフ) - 続き気になりますもう更新はしないのでしょうか？ (2022年9月20日 17時) (レス) @page28 id: 9b5f9f849f (このIDを非表示/違反報告)
シルネ(プロフ) - 柊さん» こんな長い作品を読んでいただき、ありがとうございます!! 最近、スランプ気味で……(苦笑) 早く、続きを書けるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします!! (2019年12月11日 6時) (レス) id: f9b43e219e (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 小説読みました！！！ 面白かったです！更新頑張ってください！！ (2019年12月10日 23時) (レス) id: 9cb1ed3aee (このIDを非表示/違反報告)
シルネ(プロフ) - マリン さん» ありがとうございます！早くスランプを抜け出し、スラスラ書けるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2019年8月16日 17時) (レス) id: f9b43e219e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シルネ | 作成日時：2019年2月22日 15時
