さよならにブライダルベールを添えて。

5話 ページ7

貴方side



目を覚ました。

一面真っ白で、何処かの部屋かな？なんて
思ったりしたけどよく見れば天井も壁もない、
ただ白い空間に浮かんでいるだけだった。



ｻﾞｻﾞｯ、ｻﾞｯｻﾞ…



唐突に聞こえたノイズと砂嵐で視界が覆われる。
…ああ、これは予知夢を見る前兆だ。

また嫌な夢を見なきゃいけないのか、と
うんざりしつつ目を閉じる。



ノイズが収まり砂嵐も消えた頃目を開けると
視界に広がったのは警察学校の桜だった。

きょろきょろと辺りを見渡せば
ひときわ大きな桜の木の下に6人の人影。
そのうち3人は見覚えのある顔だった。
私と、景くんと、零くん。他に男性が三人。



幼馴染2人に置いていかれなかったことに安堵しつつ、
6人の会話をこっそりと盗み聞きする。

………一応罪悪感はあります。ごめんなさい。

心のなかで謝罪しながら聞いてるとなにやら難しい話を
していて詳しいことはよく分からなかったけど、
残りの三人と私達は仲が良いらしい。

きっと此処で出会えた大切な人なんだろうな。

のちにちょーっと名簿とか覗き見したら、
3人は松田陣平さん、萩原研二さん、伊達航さんって
名前らしい。みんなイケメンだねぇ。






また瞬きをひとつ。

次の視点はどうやら卒業式のようで
桜の花弁が舞うところで写真を撮ったりしていた

会話の内容で分かったのは、松田さんと萩原さんが
爆処？って言われてるとこで伊達さんは捜査一課って
ドラマに出てきそうなとこに所属したこと。

ヒロくんとゼロくんはなにも言ってないけど
一体何処に所属されたんだろうか？

ちなみに私は、機動捜査隊に所属してた。



【楽しそうだなぁ
何時も予知夢がこうであったらいいのに…】



笑いあう彼らを眺めながらひとり呟いた。







また瞬きをひとつ

次は、萩原さんが爆弾の前にいた。
流石にいきなり事でちょっとびっくりした。

どうやら爆弾がふたつある事件らしくて、
先に終わった松田さんと電話で話してるみたい。
話の内容と萩原さんの声のトーンで予想だけど。

というか…機動隊の制服のままで解体するの？
そりゃ普通の服より防御力あるけどさぁ…

なんて、呑気にそんなこと思ってたら
止まっていたはずの爆弾のタイマーが再開した。

赤い数字が1秒、また1秒と減っていく。
後ろを振り返れば避難する機動隊の人達。
その最後尾に萩原さんはいて。

タイマーがゼロになったとき、
一瞬こちらを向いた彼が諦めたように笑って



視界が真っ白になった。

6話→←4話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す