4話 ページ6
諸伏side
降母「どういう…ことですか、?」
薄暗い部屋でぼんやりと白い光が辺りをを照らす。
小さく響くか細く震えたゼロのお母さんの声。
その隣には俯き気味のおばさんと、ぼう然とするゼロ。
医者はそれでも冷静に、そして静かに繰り返し言う。
「ですから、場合によっては
このまま目覚めない可能性もあります。」
諸母「でも、手術は成功したんですよね?」
うつむき気味だったおばさんが顔を上げて言った。
事実、彼女の手術は成功して安定しているらしい。
それでも小さい体には多すぎる程の打撲と多量出血に、
彼女の体はぼろぼろになったのだ。
「ええ、後は彼女の気力次第かと」
降母「そんなっ…」
息を呑むゼロのお母さんと、静かに涙を流すおばさん。
状況をなんとか飲み込もうと頭では頑張るけれど
心は拒絶ばかり起こす。
きっとすぐに目を覚まして、
心配かけてごめんねー!って笑ってくれるよな、?
頼むから、早く目を覚まして……。
ああ、悪い夢なら覚めてくれ。
・
あれから、しばらたった今でも彼女は目を覚まさなくて
毎日の授業もあまり集中できなかった。普段注意とか
されないゼロでさえ先生に怒られてたほどには。
(貴方「珍しいね、ゼロが怒られるなんてさー」)
きっと彼女ならそう茶化すんだろうな
ゼロの背中を叩きながら笑って言うんだ
・
学校が終わると、ゼロと彼女の見舞いに行くのが
もう日課になっていた。
『ゼロ』
降谷「ああ、今行く」
うつむくゼロに声を掛ければ鞄を持って立ち上がり
俺と一緒に外に出る。あれから降谷も元気がなくて
心此処に有らずみたいな感じで。かくいう俺も
彼女がいなくなって心に穴が空いた感じがしてた。
・
病院に着いて、慣れた足取りで病室に行く。
カラカラ…と静かに扉を開けてみれば、
個室の病室は静かでがらんとしていた。
窓を開けて花瓶の水を変える。
少し前に飾った花が少し枯れかけていた。
『目、覚まさないね』
降谷「そうだな」
二人で彼女の頭を撫でる。
きれいに手入れされた彼女の髪はさらさらで、
でもやっぱりいつもとは違った。
降谷「早く目を覚ましてくれ」
ゼロの言うとおりだぞ。いつまで待たせるんだよ、
窓から入った風がカーテンを揺らして
ふわりと桜の花弁が舞う
柚が目を覚まさなくなって桜が咲いて。
卒業のときは刻々と迫っていた。
181人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽこぽん(プロフ) - 命亜さん» ご指摘ありがとうございます。そうなんですよね。でも生憎とこの小説はご都合主義とオリジナルの産物なのでご容赦ください。 (2022年5月15日 8時) (レス) id: d7923ddccb (このIDを非表示/違反報告)
命亜 - ゼロヒロは親居ませんよ? (2022年5月13日 10時) (レス) @page5 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぽん(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» やったね!感想を送ってきてくれるの楽しみにしてます!((想像した悲しい結末にならないよう祈ってね!☆ (2020年6月6日 11時) (レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - ぽこぽんさん» 了解です!泣きます!((( ちなみに、それで泣いたのは悲しい結末を想像してですw (2020年6月6日 10時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぽん(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» はやっ!?でも、私のかいた小説で泣いてくれるなんて正直嬉しいです!変な感じしますけど笑。これからも、もっと泣かせにいくのでどんどん泣いて最後はハッピーエンドになってください!……ってそこは私の腕次第ですな。 (2020年6月6日 10時) (レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽこぽん | 作成日時:2019年10月2日 15時