さよならにブライダルベールを添えて。

40話 ページ42

貴方side



僕を除く四人は早々に浴衣を着て
待合室にいた。

他の女性達はちらちらと彼らを見ているが
当の本人達はその視線に見向きもしない。



『あ、いた。

……けど、あそこだけなんか空気違うみたい。
なんかキラキラしたエフェクトかかってない？
女性達からの熱い目差しが…

彼処に行きたくない。』



「さあ！行きますよぉ！」



行きたくないと言ったばかりなのに、
店員さんに引きずられ結局出てきてしまった。



萩原「あ！柚月ちゃ……ん、
ごめん。ちょっと待って。」



僕を見つけた萩原が呼んだけど、
その声は途中で止まり、零達もこっち向いたけど
萩原と一緒にそっぽを向かれた。

え、そんなに似合ってない？あ、っと…え？？



『て、店員さん。やっぱり、浴衣変えましょ……』



諸伏「待って待って！似合ってるから！」



早々に復帰した諸伏に止められて
結局浴衣はこのままに。



『……でも、皆して目ぇ背けたじゃん。』



松田「それは！……に、似合ってるから、だよ…」



顔を真っ赤にして言ってくれた松田をみて
釣られるように僕の顔も赤くなる



「ふふふ、では、いってらっしゃいませ！」



随分と楽しい店員さんに見届けられて
外に出るともう日が沈みかけていた

結構店内にいたんだなぁ、気づかなかった。



萩原「何処から行く？」



『んー…あ。』



松、萩、降、諸「「「「ん？」」」」



『あれ、やろ。』



僕の指差した先は射的

彼処においてあるお人形。
猫なんだけど、皆に似てるんだ。

黄金色の猫、毛並みがきれいな黒猫、
サングラスをかけた黒猫、眉の太い黒猫、
つり目で髭を生やした黒猫。

全部ほしい。



諸伏「お！楽しそうだな！」



松田「射的か、面白そーじゃねぇか」



降谷「どれを取るんだ？」



『自分で取れる。
僕だって射撃の腕はいいんだよ？』



萩原「じゃあ、俺達もやるか」



皆でお金を払って弾と銃をもらう
弾は5発、コルクだけど。

台の上にライフル射撃のように構えて
息を整える



ﾊﾟﾝ



1個目、伊達似の猫



ﾊﾟﾝ、ﾊﾟﾝ



2個目、萩原似の猫。
3個目、松田似の猫。



ﾊﾟﾝ



『ありゃ』



零似の猫を狙ったんだけど落ちなかったや
んー、しょうがない。



ﾊﾟﾝ



4個目、零似の猫。



『もう一回…』



諸伏「次、俺やるよ」



後ろで銃を持っていた諸伏がいて
その後ろにも皆がいたから、とりあえず退いた。

一通り皆が終わったらもう一回やろうっと。

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