さよならにブライダルベールを添えて。

33話 ページ35

貴方side



『…も、むり、こっち来んなぁ、んっ』



松田「しゃーねーだろ、
ただでさえせまいんだから、よっ」



『ひぁ、んっ…』



暗い押し入れ
当たるところから聞こえる少し速めの鼓動音
すぐ近くで感じる吐息が甘ったるい
触れあう肌が熱くて蕩けそう…



『ひぅ、ふっ…んぁ、まつ、だぁ…んっ、』



松田「可愛いかよ」



ふぅ、って耳に息を吹き掛ける

耳が弱い僕にとっては酷な攻撃で
どうしても声が押さえられない



『(もう、なんでこうなったんだよ…)』







・







事の始まりお昼ご飯を食べ終えた後
萩原の一言だった。



萩原「ねえ、かくれんぼやらない？」



松、諸、降『「「「かくれんぼ？？」」」』



萩原「そう！

こんなに広いし、楽しそうじゃない？
駄目かな、柚月ちゃん？」



『んー、良いんじゃないかな？』


"かくれんぼ"か…
昔、景光と零とやったことあったなぁ

あの頃は二人を見つけられなくて
泣きそうになってたっけ

そうすると二人が焦って出てくるから
"みーつけた"って言うと"見つかった"って
言ってくれて三人で笑いあったっけ。



なんて、物思いにふけてたら
肝心の鬼を決めるじゃんけんに負けたんだけど。



『え、いいの？家主だから余裕ですけど？？』



松田「ほぉん…やってみろよ」



一人負けしたので煽ってみたら松田は食いついた。

ルールは鍵のかかってる部屋と蔵は駄目、
あと外には出ないということだけ。


『じゃあ、捕まったら大広間集合で。』


こうして始まったかくれんぼたけど
ほら、人を見つけるのは得意分野だからさ



『んー、ここ』



ｶﾗｶﾗ



『零、見つけた。』



僕は人を気配を感知するというか、
察知して見つけるのが人一倍上手い。
神様に特訓させられたからね、当たり前だけど

開けられた押し入れのなかから出てきたのは零。



降谷「そんなに分かりやすかったか？」



『いーや、難しかった。零が最後だよ。』



というか他の人も見つけるの難しかった
これ、一般人がやったら見つけられないと思うよ

地味に景光を見つけるのが大変だった。
萩原も松田も気配を消すの上手なんだもん。



『次は誰？』



2回戦
鬼決めのじゃんけんの結果

次に鬼になったのは



諸伏「次は俺かー」



景光だった。



"次は隠れる番だー！"と思って
楽しみにしていたまでは良かったのだ

問題が起こったのはかくれんぼの最中だった。

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