21話 ページ23
貴方side
なんでこうなったんだっけ。
お風呂上がりに教官に会って、
松田に書類渡すの頼まれて。
部屋は教えてもらったし、書類を渡すだけ。
きっと諸伏くんや降谷くんには会わないはず。
そう思っていたのに。
なんやかんや捕まって、今じゃ松田の部屋の中にある
ローテーブルの前に座っている。
萩原「ところで、柚月ちゃんはなんで松田の部屋に？」
貴方「…あっ、忘れてた。
これ、教官から。明後日までの提出だって。」
萩原の声に沈んでいた思考が戻ってきて、
持っていた書類をまだ渡していないことに気づいた。
松田「おう、サンキューな。」
よし、これで私の仕事終った。帰ろう。
貴方「いえいえ。じゃあ、」
降谷「送る」
諸伏「じゃあ俺も」
私が立ち去ろうと腰をあがると、
それを追うようにふたりも立ち上がり
結局三人で部屋を出た。
私の部屋まで向かう廊下は誰もいなくて、
三人が歩く音が静かな廊下に響く。
春とはいえ夜はやっぱり肌寒く、髪の水滴で濡れた服や
乾かせていない髪のせいで余計に寒く感じる。
明日風邪引かないといいけど…
なんて考えていれば気づけば自分の部屋についていた。
くるりと振り返り、後ろにいたふたりに扉を指差す。
貴方「ここ、部屋だから。じゃあ、また明日。」
降谷「…一つだけいいか？」
扉を開けようとしたとき、後ろにいた降谷くんの
腕がすっと伸びてきてドアノブにかけた手に重なった。
貴方「何？」
諸伏「君は俺達の幼馴染みの柚月…で合ってる、よね」
少し視線をずらせば、しっかりと確信を持った目で
こちらの目を見てくる諸伏くんがいて。
もう誤魔化せないのが目に見えていたから諦めた。
貴方「そうだよ…じゃあ。」
それだけ答えるとら降谷くんの手を解いて部屋に入って
止めていた息を吐きだすと、力が抜けてそのまま扉に沿って
ずるずるとしゃがみ、動けないまま天を仰いだ。
今更だけど、やっぱり独りは寂しい。
そりゃ、抱え込まなきゃいいんだろうけど
みんなが死んでしまう未来は私しか知らないし、
あの5人に未来を伝えて協力してもらえばとか
最初の頃は思ってたけど、未来が見えるなんて
非現実すぎて信じてもらえないだろうし。
そもそもあんなに自分の正義にひたむきな彼らに
ここを辞めてくれと言うのも無理だった。
『…もう寝よう、うん。』
髪の毛も乾かしていないけれど、もういいや。
明日の私がきっと何とかしてくれるよ。
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ぽこぽん(プロフ) - 命亜さん» ご指摘ありがとうございます。そうなんですよね。でも生憎とこの小説はご都合主義とオリジナルの産物なのでご容赦ください。 (2022年5月15日 8時) (
レス) id: d7923ddccb (このIDを非表示/違反報告)
命亜 - ゼロヒロは親居ませんよ？ (2022年5月13日 10時) (レス) @page5 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぽん(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» やったね！感想を送ってきてくれるの楽しみにしてます！((想像した悲しい結末にならないよう祈ってね！☆ (2020年6月6日 11時) (レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - ぽこぽんさん» 了解です！泣きます！((( ちなみに、それで泣いたのは悲しい結末を想像してですw (2020年6月6日 10時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぽん(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» はやっ！？でも、私のかいた小説で泣いてくれるなんて正直嬉しいです！変な感じしますけど笑。これからも、もっと泣かせにいくのでどんどん泣いて最後はハッピーエンドになってください！……ってそこは私の腕次第ですな。 (2020年6月6日 10時) (レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽこぽん | 作成日時：2019年10月2日 15時
