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腹の皮を突き破って、新たな足が出現する。皮を破った際に犬の血(やはり腐っており血と表現するには些か黒くドロドロ過ぎた)が辺りに飛び散った。
犬とは仮の姿だったか。
そこには、身体を包む皮さえ持たぬ一匹の獣が佇んでいた。びくびくと痙攣している様に震える赤い筋肉には幾本もの白い筋が走っている。その筋の中で大きさ5cm程のモノが蠢いているのが遠目でもわかった。
不味い、本当に不味い。まさかあんなものが出てくるだなんて思わなかった。基が犬だったためか、形状は犬であるが、もうこれは世界が認めた"犬擬き"であろう。
これは私がどうにかできる代物ではない、と判断する。
これをどうにかする為にはなにが必要か、と考える。
どうにかできる程の力を持ったものを私は持っているか、と思い出す。
たった1つ。１つだけだが思い当たる節がある。
ごめんね、ダ・ヴィンチちゃん。
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作者名：何かの魚 | 作成日時：2017年5月14日 5時
