結婚しても彼女に嘘は通じません。【夢野幻太郎】

狭いこの部屋の中で 老 ページ22

牧村カノンさんからのリクエストです！ありがとうございます！
いわゆる、〇〇をしないと出られない部屋ですね！

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奇跡とは、日常があるが故に成り、
驚きとは、平常があるが故に起こる。

そんなような文を、いつしか小説に書いた覚えがある。

だからと言ってーー、

「ここ...どこだ...？」

唐突に見知らぬ部屋に閉じ込められている奇跡と驚きは味わいたくなかった。
4畳くらいだろうか。壁も床も天井も白の部屋。窓もなければドアと思しきものもよく観察しなければ気づかないほどに影がうすい。

そして辺りを見回していると、とあるものが目に飛び込んできた。

「...ん、むぅ...。...あれ、おはようございます、げんたろ...どこ？」

どうやら夫婦共々閉じ込められたらしい。

「どうやらどうしてかだれかの手によってどこかしらに閉じ込められてしまったようです。」
「不確定要素が多すぎやしませんか...？」

まだ眠たげ目をこすりながら見事なツッコミを入れてくる彼女。とはいえ、そのツッコミは正しいのだが、どちらにしろ何もわかっていないことは確かだった。

「ここにドアあるじゃないですか。...開かない。」
「まあそうでしょうね。なんとなく予想はしていましたが。」

完全に閉じ込められてしまったこの状況。どうすることもできない、どうすればいいかと考えていた時。

カサリ。

「...紙？」

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