今は2人、この先3人 左 ページ16
「ただいま戻りました。幻太郎、お2人が来てくださいましたよ。」
ドアを開けながら家の奥の方に向かってそう言う彼女。するとドアが多くの方で開く音がする。
「邪魔すんぞー。」
「ヤッホー幻太郎!大丈夫...ってあれまあ相当ヤバいみたいだねー!」
「嬉しそうに言わないでください今回かなり大変なことになってるんですよ。」
目の下に隈を作り、ふらふらと廊下の奥から現れた彼に、FPの2人は思わず苦笑する。そして部屋を除いた彼女も思わず嫌悪感をあらわにする。
「全くもう…!あれほど、周りの物くらい端に寄せといてって言ったではないですか…!」
「あぁ…そういえばそんなことも言っていたような言っていなかったような…」
「昨日ちゃんと言いました。」
そういいながら部屋を片付け始める彼女と、ふらふらになりながらも部屋に戻ろうとする彼に、夫婦らしさを感じ、笑顔になる2人。
2人のここまでの過程を見てきた2人からすると、この中に新たに1人、小さな命が増えると思うと、新鮮で、とてつもなく喜ばしいことだった。
「うわ、ほんとにきたねえな。片づけんの手伝うぜー!」
「あ、僕も僕もー!」
部屋に駆け込んだ2人をよそに、彼はため息をつく。
「もう本当に、周り何て気にしてられないくらい今回ものすごいことになってるんです。嘘とか抜きで。ハァァ…」
「その語彙力のなさでわかります。全く、気に病んで変な気起こさないでくださいよ。毎度毎度心配になります。」
「あぁ…小生本人も何を起こさないか心配ですよ…。」
ぐったりとした彼を、彼女は不安そうに見つめた後、数瞬後に何かを気づいたような顔をして、彼の手を握った。
「…?詩乃、何を…。」
とん。
そんな効果音とともに幻太郎の手が置かれた先は、彼女の膨らんだお腹の上。
その手に感じた小さな痛みに、目を見開く彼。
それをみて笑顔になった彼女は、口を開く。
「おとーさんっ、お仕事、頑張ってねっ!……なーんて。
頑張ってください。私もちゃんと頑張るので。」
まだ性別もわからないのに、幼女のような声で笑いながら言う彼女に、彼もつられて笑顔になる。
「はい、お父さん、ちゃんと頑張りますね。…ありがとうございます、詩乃。」
「いえいえ、これも妻の仕事です。」
そういって笑い合う2人の姿を、FPの2人がニヤケながら見つめていたとかなんとか。
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桜月花(プロフ) - cocoaさん» 結婚式の話...そういえば書いてませんでしたね!笑 続編を作るので書かせていただきます!リクエストありがとうございます! (2019年2月8日 5時) (レス) id: 8714acda80 (このIDを非表示/違反報告)
桜月花(プロフ) - Thistle*さん» リクエストありがとうございます!お子さんの2人目ですね!書かせていただきます! (2019年2月8日 5時) (レス) id: 8714acda80 (このIDを非表示/違反報告)
桜月花(プロフ) - 牧村カノンさん» リクエストありがとうございます!続編を作るので、ぜひ書かせていただきます!すごく可愛いネタをありがとうございます! (2019年2月8日 5時) (レス) id: 8714acda80 (このIDを非表示/違反報告)
桜月花(プロフ) - 理鶯&幻太郎LOVEさん» ご協力ありがとうございます!誘拐されたら。面白そうですね!ぜひ書かせていただきます! (2019年2月8日 5時) (レス) id: 8714acda80 (このIDを非表示/違反報告)
桜月花(プロフ) - 俺の愛は前野さんのためにあるさん» ご満足いただけたようで何よりです...!わかりました!続編の方にあげさせていただきます!リクエストありがとうございます! (2019年2月8日 5時) (レス) id: 8714acda80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜月花 | 作成日時:2019年1月21日 17時