結婚しても彼女に嘘は通じません。【夢野幻太郎】

プロポーズ後の3人 中 ページ2

彼女と付き合った次の日、報告も兼ねて小生と彼女で乱数の事務所に向かった。
案の定、帝統もそこにいて、2人揃ってニヤニヤしながら迎えてくれた。

「...ということで、付き合うことになりました。」
「不束者ですが、今後もよろしくお願いします。」

2人で揃って頭を下げる。
すると待っていましたと言わんばかりに2人が立ち上がって騒ぎ出す。

「ウワァ！！おめでとう！」
「よかったじゃねえか幻太郎！詩乃！」
「帝統、痛いので肩を叩くのはやめてください。」

人ごとなのに、まるで自分のことのようにはしゃぐ2人。
思わず照れ隠しのように冷たくしてしまうが、それもお構いなしに2人とも小生を叩いてくる。

「フフッ。」

そんな中、隣の彼女が笑い声を漏らす。

「どうかしたー？オネーサン！」
「いえ、こんな大事な報告の時でも、Fling Posseはブレないなあと思いまして。」

嬉しそうに笑う彼女。
それを見て小生たち3人は顔を見合わせ笑う。

「当たり前だよ、だって僕らはPosseだもん！」
「そうですね、大事な仲間ですもんね。」

仲間。
そうか、小生はいい仲間を持ったんだろうな。


「まぁ、でも、詩乃だってその仲間に入ってるけどな！」
「え？」


不思議そうに声を上げる彼女。
そんな彼女の前に、乱数がタタッと駆け寄り、手を差し出してこう言い放つ。



「詩乃ちゃん！ようこそ、Fling Posseへ！」



「これからもよろしくな、詩乃！」



「仲間としても、彼氏としても、よろしくお願いしますね。詩乃。」






そんなことがあった、1年前のあの日。

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