青天の霹靂01 ページ31
その日は、何の変哲もない休みの日で。
焦凍の部屋を訪れていたAは、課題を終わらせた途端にぐぐっと伸びをした。
「終わったー」
「お前、数学は少し苦手だよな」
「そうなんだよね…焦凍が教えてくれるから助かるよ」
よく働いた頭をほめてやりたい。ぽんぽんと頭を撫でる手を素直に受け入れる。冬に差し掛かった季節ではあるが、今日は太陽も出ていて暖かい。課題後のダルさも相まって、思わずウトウトしてしまいそうになる。
「寝るか？」
「なんか、もったいない気がする…」
けれどどうにも抗いがたい。心地よい睡魔に身を任せてしまおうかと思った、その時だった。
「━━━━━━━━━━━━轟くんいる！？」
「！？」
ダンダンダン！ と激しくドアを叩く音と共に聞こえてきたのは、出久の声。何かあったのか。明らかに焦っている。
焦凍も眉をひそめ、ドアを開けた。
「緑谷、どうした」
「大変なんだ！！ 脳無が出て…！」
「な…」
「エンデヴァーが、戦ってるんだ！！」
「…！？」
時間は少しだけ遡る。
エンデヴァーとホークスが視界の端に捉えた光…それは真っ直ぐに、二人がいるビルに突っ込んできた。漆黒に染められた巨躯に、目だけは爛々と光らせて。ビルの外壁を軽々と握り砕き、ガラスをぶち破り、ビルに侵入しようとしていた。
しかしその異形を目の前に、エンデヴァーは怯まない。ホークスに避難誘導を指示し、己は目の前の化け物に対峙する。
「『噂』ではなかったか」
脳無が奇妙に伸びた左手を振り上げる。エンデヴァーもまた、拳を握りしめた。炎が燃える。何をも恐れぬ闘志を表すように。
(俺を━━━━━━━━━━━━━━━！)
空気を劈く破裂音。目を焼く閃光。
『赫灼熱拳 ジェットバーン』。その熱線は、狙い違わず脳無を捉えた。
「来い…！」
メラメラと燃え盛る炎を見にまとい、エンデヴァーは宣言する。
「
ジュウウ…と、肉の焼ける臭いと、音。
普通であれば再起不能も有り得る大ダメージだろうに、しかし脳無は倒れない。
「こコんな火デ俺レをを…殺セるとと思っ、思っ思ったカ？」
再生。焼き切れた筋組織が瞬く間に修復されて行く。
(当然のように強個性を…)
ビルをも砕く怪力に、異様に伸びる腕。そして飛行能力に、再生。常人なら絶望的するような複数個性持ちの強敵を前に、しかしエンデヴァーは笑ってみせた。
「━━━━━━━━━━だからどうした」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 665人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SangriA(プロフ) - 轟沙季さん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです(>ω<)更新がんばりますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年3月25日 23時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
轟沙季 - この作品は素晴らしいです！続きも読みたいです！図々しいですが更新よろしくお願いします！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: 558a8f9c64 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - アトさん» コメありがとうございます！いつの間にかこんなに長く…でも楽しみにしてもらえてるのすごく嬉しいです。これからもがんばります！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - りんさん» コメありがとうございます！いつも読んでもらえて嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
アト(プロフ) - こんなに続いてる神作初めて見ました…！！フェアリーテール楽しみにしてます！！！！ (2019年2月24日 23時) (レス) id: 405929ea37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SangriA | 作成日時：2019年1月26日 20時
