ワクワクの後01 ページ20
「波動先輩、おめでとうございます！」
「ありがとう！」
出久たちと合流したのは、ミスコン発表の会場でだった。色とりどりの紙吹雪が舞う中、優勝した波動が笑顔で手をふっている。
「あのね、おねえさんね、ふわって飛んで、くるくるしてきれいだったの」
「うんうん！」
懸命に説明会してくれるエリが可愛くて、頬がゆるむ。小さな頭を撫でると、くすぐったげに目が細まった。
「あのね、でも、あのときのね」
「？」
「救けてくれたときの、ビュンッてきてくれたトロイメライさんのほうが…かっこよくて、きれいだった…」
「へっ…！」
少し照れくさそうに言うエリに、思わず間抜けな声が出た。そして、つられるようにじわじわと恥ずかしいような気持ちが込み上げて、Aは思わず頬を押さえる。
「あ、あああ、ありがとうっ…」
(恥ずかしい、けど)
同時に、嬉しいという気持ちも溢れてきた。
自惚れでなければ、エリにとって、自分はヒーローとなれたのではないか。エリが、自分をヒーローにしてくれたのではないか。
(やばい、すごく嬉しい…！)
皆に顔真っ赤！ とからかわれるが、そんなことは気にならないくらい嬉しい。
「お前…」
「！」
と、焦凍が何を思ったかエリの前にしゃがみこむ。エリは驚いてびくっとしたが、少しは慣れたのか逃げはしなかった。
そして、焦凍は
「……わかるやつだな」
そう一言いってエリに頷く。
「…！」
対してエリも、大きく頷いてみせた。
「…え、どうしたの二人とも」
何故かしっかりと握手を交わす二人に、Aは首を傾げていた。
そして、楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
日が傾き、エリの帰る時間。出久とAは、校門まで彼女を見送りに出ていた。
「今日はありがとう！ 楽しかった！」
「またいっぱい遊ぼうね！」
「…うん」
帰りたくない、と駄々をこねることはないものの、寂しげに俯くエリに、Aと出久は顔を見合わせる。
「エリちゃん、顔を上げて」
出久の言葉に顔を上げたエリの、その目の前に。
「「サプライズ！」」
夕日の光をうけてなお赤く、キラキラ光るリンゴアメ。
「リンゴアメ！ 売ってた！？ 俺探したよ！？」
通形も驚いたように声を上げた。
「いずっくんがプログラム見てないかもって気づいて、買い出しの時いっしょに材料買ってきてくれて」
「食紅だけコンビニになかったんで砂糖くんに借りて、語部さんに作ってもらっておいたんです」
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SangriA(プロフ) - 轟沙季さん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです(>ω<)更新がんばりますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年3月25日 23時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
轟沙季 - この作品は素晴らしいです！続きも読みたいです！図々しいですが更新よろしくお願いします！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: 558a8f9c64 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - アトさん» コメありがとうございます！いつの間にかこんなに長く…でも楽しみにしてもらえてるのすごく嬉しいです。これからもがんばります！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - りんさん» コメありがとうございます！いつも読んでもらえて嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
アト(プロフ) - こんなに続いてる神作初めて見ました…！！フェアリーテール楽しみにしてます！！！！ (2019年2月24日 23時) (レス) id: 405929ea37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2019年1月26日 20時
