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「人々から失われた闇は我々ニルビット族にまとわりついた」
「そんな……」
「地獄じゃ。ワシ等は共に殺し合い、全滅した。生き残ったのはワシだけじゃ。いや……今となってはその表現も少し違うな。我が肉体はとうの昔に滅び、今は思念体に近い存在。ワシはその罪を償う為……また力なき
「そんな話……」
話の最後には笑みを見せた。そして後ろに控えていたメンバーが次々と姿を消して行く。
「マグナ!!ペペル!!なにこれ…!? みんな…」
「アンタたち!!!」
「どうなってるんだ!? 人が消えていく!!」
「イヤよ、みんな…!!消えちゃイヤ!!」
「騙していてすまなかったな…ウェンディ。ギルドのメンバーは皆…ワシの作り出した幻じゃ…」
人格を持つ幻。それを作り出すのは並大抵の魔力ではない。それを成したのはひとえに少女たちの為だった。
「ワシはニルヴァーナを見守る為にこの
──「この子たちを預かってください」
「少年のあまりにまっすぐな眼にワシはつい承諾してしまった。一人でいようと決めたのにな………」
──「おじいちゃん、ここ…どこ?」
「こ、ここはじゃな………」
「ジェラール…私たちをギルドにつれてってくれるって……」
「ギ、ギルドじゃよ……!ここは魔導士ギルドじゃ!!!」
「本当!?」
「なぶら外に出てみなさい。仲間達が待っているよ」
「そして幻の仲間たちを作り出した」
「ウェンディたちの為に作られたギルド……」
「そんな話、聞きたくない!!バスクもナオキも消えないで!!!!」
「ウェンディ、シャルル……もうおまえたちに偽りの仲間はいらない。本当の仲間がいるではないか」
耳を押さえて大粒の涙を零すウェンディに笑みを浮かべたローバウルは、ゆっくりと少女の後ろに立つ連合軍を指差した。
「おまえたちの未来は始まったばかりだ」
「マスターー!!!!」
「皆さん、本当にありがとう。ウェンディとシャルルを頼みます」
消え掛かる中、優しさに満ちたその笑みは一瞬だけ、誰よりも後ろにいるAに向けられる。それが分かった彼女は小さく頭を垂れた。そして自身の右肩から腕にかけて、巻かれた包帯をゆっくりと解いていく。
そこには化猫の宿の紋章があり ── そして、消えた。
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ゆきっき(プロフ) - いつかヴェンディが真実を知る日をずっと楽しみに待ってます! (2022年8月4日 0時) (レス) @page46 id: e77387d96a (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 続き待ってます (2021年6月11日 16時) (レス) id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しく思います。また近々続きの更新して下さると嬉しく思います。更新を楽しみに待ってます。 (2021年3月31日 6時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しいです。更新を楽しみに待ってます。 (2021年1月21日 21時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。返信待ってます。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗葉 | 作成日時:2019年11月30日 19時