検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:34,832 hit

( 5 / 5 ) 第三者視点 ページ45

「人々から失われた闇は我々ニルビット族にまとわりついた」
「そんな……」
「地獄じゃ。ワシ等は共に殺し合い、全滅した。生き残ったのはワシだけじゃ。いや……今となってはその表現も少し違うな。我が肉体はとうの昔に滅び、今は思念体に近い存在。ワシはその罪を償う為……また力なき亡霊(ワシ)の代わりにニルヴァーナを破壊できるものが現れるまで、400年……見守ってきた。今、ようやく役目が終わった」
「そんな話……」

話の最後には笑みを見せた。そして後ろに控えていたメンバーが次々と姿を消して行く。

「マグナ!!ペペル!!なにこれ…!? みんな…」
「アンタたち!!!」
「どうなってるんだ!? 人が消えていく!!」
「イヤよ、みんな…!!消えちゃイヤ!!」
「騙していてすまなかったな…ウェンディ。ギルドのメンバーは皆…ワシの作り出した幻じゃ…」

人格を持つ幻。それを作り出すのは並大抵の魔力ではない。それを成したのはひとえに少女たちの為だった。

「ワシはニルヴァーナを見守る為にこの廃村(・・)一人(・・)で住んでいた。7年前、一人の少年がワシの所に来た」

──「この子たちを預かってください」

「少年のあまりにまっすぐな眼にワシはつい承諾してしまった。一人でいようと決めたのにな………」

──「おじいちゃん、ここ…どこ?」
「こ、ここはじゃな………」
「ジェラール…私たちをギルドにつれてってくれるって……」
「ギ、ギルドじゃよ……!ここは魔導士ギルドじゃ!!!」
「本当!?」
「なぶら外に出てみなさい。仲間達が待っているよ」


「そして幻の仲間たちを作り出した」
「ウェンディたちの為に作られたギルド……」
「そんな話、聞きたくない!!バスクもナオキも消えないで!!!!」
「ウェンディ、シャルル……もうおまえたちに偽りの仲間はいらない。本当の仲間がいるではないか」

耳を押さえて大粒の涙を零すウェンディに笑みを浮かべたローバウルは、ゆっくりと少女の後ろに立つ連合軍を指差した。

「おまえたちの未来は始まったばかりだ」
「マスターー!!!!」
「皆さん、本当にありがとう。ウェンディとシャルルを頼みます」

消え掛かる中、優しさに満ちたその笑みは一瞬だけ、誰よりも後ろにいるAに向けられる。それが分かった彼女は小さく頭を垂れた。そして自身の右肩から腕にかけて、巻かれた包帯をゆっくりと解いていく。

そこには化猫の宿の紋章があり ── そして、消えた。




第30話:ひっそりとした再会→←( 4 / 5 ) 第三者視点



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (59 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
188人がお気に入り
設定タグ:FAIRYTAIL , ミストガン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆきっき(プロフ) - いつかヴェンディが真実を知る日をずっと楽しみに待ってます! (2022年8月4日 0時) (レス) @page46 id: e77387d96a (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 続き待ってます (2021年6月11日 16時) (レス) id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しく思います。また近々続きの更新して下さると嬉しく思います。更新を楽しみに待ってます。 (2021年3月31日 6時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しいです。更新を楽しみに待ってます。 (2021年1月21日 21時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。返信待ってます。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紗葉 | 作成日時:2019年11月30日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。