FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ26)

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「先ず、ふたり」

両手首を拘束したチューブを掴んで思い切り引っ張れば…動けないと思い込み、足に大して力を入れていなかったのだろう…簡単に吹き飛んだふたりが上空でぶつかった。

「な、何故だ…何故、動ける！？」
「私に状態異常は効かないから」
「な……！」
「ファイアメイク・槍騎兵(ランス)…！」
「「「「グァアァァァッ！！」」」」

これで終わりだと大量に火の槍を造り出せば、盗賊達へと一斉に放つ。盗賊達の雄叫びが聞こえる中でガルナ島の時のように牢獄を造り出すと彼らをその中へと捕らえた。

「お姉ちゃん、すごい…！」

そろそろ、ティナさんが呼んでくれている筈の評議員が来てくれる頃だろうと空に魔法を打ち上げる。( これで大体の場所が分かる筈 ) そんな時、後ろから掛かった声に振り返った。

「ひとりでやっつけちゃうなんて…！」
「怪我はない？」
「うん、ありがとう…！」
「結界を解くのは少し待ってて。評議員が来るまで安全とは言えないから」

キラキラとした目に小さく笑みを浮かべて、全員に治癒魔法を掛けながらそう告げれば、きょとりとしながらも頷いた。

「テ、テメェ…！一体、何モンだ！顔見せやがれ！…熱ィ！？」
「……答える義理は無いけど」

牢獄の中で吠えたかと思えば、火に触れたようで悲鳴に近い声を上げるリーダー格の男。( ガルナ島の時は訳ありそうで忠告したけど…今回はする義理が無い )

「 ── そうだな。彼女の言う通り、名前を明かして余計な恨みを買う必要性は感じられない」

手をパタパタとさせながら男が再び吠えた時、聞こえて来た声。その声の主は牢獄の在る場所の更に奥に居るようで。

「……ドランバルト」
「久しぶりだな。お前が魔法を打ち上げてくれたお陰で此処に辿り着けた。……それから、そろそろ魔法を解いて貰えるか」

牢獄を囲むように立った事で、それが誰なのかが判明する。評議院傘下の強行検束部隊〝ルーンナイト〟。集団よりも一歩手前に出た彼の言葉に牢獄を消せば、目敏く逃げようとする盗賊達。然し、ルーンナイトから逃げられる者なんて早々居ない。呆れる程にあっさりと拘束された。

「何で、貴方が此処に？部署違うでしょう」
「お前が関わる件に関しては、何故か…俺が全て対応させられるんだよ」
「……嗚呼」

諜報部所属の筈の彼が、何故…ルーンナイトと共に居るのか。直ぐに帰って来た答えに過去の事を思い出してみたけれど、言われてみればと言う感じで。( 別に諜報部に目を付けられる程の理由は……否、有るか )

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