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he's an enigma. 2 ページ6

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どうやら制服のまま寝ていたようで、その格好のまま佑月(ゆずき)の部屋まで足を運ぶ。
僕と佑月(ゆずき)はマンションで同じ階層の隣同士で、数秒で行き来が可能だ。

家から出て数歩で、玄関の前まできたものの扉の前で立ち止まってしまう。

もし本当に死んでいたら。
昨日みたいなあんな目に遭うのだと考えたら。足が震える。

また昨日のノコギリ男に会うかも知れないのに、そんなところに一人で行くなんて自ら死を選んでるも同然じゃないか……。


呼び鈴へ伸ばされていた手を下ろして、佑月(ゆずき)の家から背を向けると突然後ろから声をかけられた。
それは聞き覚えのある声ですぐに誰の声か分かったのだが、振り向く勇気が出ず固まってしまう。

すると肩に手が置かれ強引に体を反転させられると、そこには予想していた人物が立っていた。

在校中ずっと注意されてるにも関わらず、頑なに最後まで黒に染めずにいた金髪が眩しい。僕の幼馴染であり、親友でもある佑月(ゆずき)の姿であった。

嗚呼、神様!!


「おーい?A、俺ん家の前でなにしてんの?」


いつも通りな佑月(ゆずき)を見て、安堵と同時に涙が溢れ出した。
彼は心配そうな表情をしながら、「大丈夫か?」と言いながら背中をさすってくれた。


「ご、ごめん。なんか変な夢見てたみたいで」


なんとか涙を堪えようと必死だったが、上手くいかない。


「どんな夢だよ、ったく。ほらとりあえず家入れよ」
「うん……」

佑月(ゆずき)は呆れながらも僕の手を引いてくれた。
玄関で靴を脱ごうと床に腰掛けると、靴箱の下に不自然な赤いインクが目に入る。

こ、これ。血痕……?
視線を上げると、目の前にはいつも通りの佑月(ゆずき)

さっきから心臓の鼓動が激しい。耳の奥でドクンドクンと鳴っている気がする。
僕の様子がおかしいことに気がついたのか、佑月(ゆずき)は顔を覗き込むように屈み込む。

咄嵯に目を逸らすと、頬を両手で掴まれ強制的に彼の方へと目線を向けられた。

全身に鳥肌が立ち冷や汗が出てくる、恐怖からか体が小刻みに震えているのを感じる。



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夕夜 - とっても面白いです!続き待ってますね。応援しています!! (5月7日 22時) (レス) @page43 id: 19daafe7ae (このIDを非表示/違反報告)
地銀(プロフ) - kemさん» ありがとうございます!CSSは自作です( ; ; ) (2022年7月31日 4時) (レス) id: ace2098bf5 (このIDを非表示/違反報告)
kem - めっちゃ面白いです!!!!CSSってどこのつかってますか?? (2022年7月31日 1時) (レス) @page19 id: c443e77f26 (このIDを非表示/違反報告)
地銀(プロフ) - あーちゃん様さん» 有難うございます!頑張ります( ; ; ) (2022年7月29日 1時) (レス) id: ace2098bf5 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん様 - 更新待ってます‼めちゃめちゃ面白いです‼ (2022年7月28日 19時) (レス) @page7 id: 875565d54e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:地銀 | 作成日時:2022年7月28日 7時

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