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「会長、」




ぎしりとソファーの軋む音がする。

会長は何が何だかわかっていない、といった様子で、不思議そうに俺の顔を見つめた。


やっぱりまったく意識されてないようだ。悲しい。


少しは赤くなるとか戸惑うとかしてくれればいいいのに、まったく彼はなんて鈍いんだ。


でもそんなところも含めて好きだから。

そして意を決して彼に告げる。



「会長、あの、僕…っ」

「ん?」


「あの…っ、その、ですね…えっとぉ…」



なんだこれ。なんだ。童貞かよ俺。ちゃんと伝えろ。


今は情けない表情をしていることと思う。


電気を点けていなくてよかった。

こんなのかっこ悪いじゃないか。


さあ言え俺。


貴方の事が好きです、と。


男気見せろよ橘 A!








「あの!!

…会長のこと名前で呼んでもいいですか!!!!」




「?別に構わんが」





ウアアアァァアアア!!!!!!イヨッシャアアアアァァアアアァ!!!!!!!!!


っじゃねぇよ馬鹿!!!


名前呼び許可貰えたのは嬉しいけどそうじゃない…っ、そうじゃないんだ…俺のばか…っ…チキンやろぉ…。




「どうした大丈夫か」

「…大丈夫です…すみません……」



あまりにも俺が落ち込むから、彼が心配そうに声をかける。


マジ天使…俺だけの天使になってほしい。


まぁでも、成り行きと勢いとはいえ名前呼びできるのは嬉しい。


彼の腕を掴んでいた手を離し、改めて向かい直る。



「えと、春さん!」


「…はい、なんでしょう?」



春彦さん、と呼ぶつもりがテンパって春さん、と呼んでしまった。

ヤベェしくったと心が荒ぶる前に、柔らかい笑顔で彼が返答してくれるものだから、ある意味心が荒ぶってしまった。



「春さん…春さん、春さん!」


「わかったから…そんなに呼ばずともいいだろ…」


「すいません春さん!!」



春さん、と連呼してればだんだんと俯いてしまう彼が可愛くてつい意地悪してしまった。


押し倒されそうになっても平然としていたのに、名前を呼ばれて真っ赤になるだなんてこれがまたツボである。


いつも無表情な彼の表情がかわる度に、俺の心臓がもたない。

またギャップ萌えしてしまった。


なんだか幸せな気分になれたため、体調不良も少しはマシになれた気がする。

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設定タグ:オリジナル , BL , 創作   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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Td(プロフ) - ともえさん» ありがとうございます。検討致します (2018年12月17日 19時) (レス) id: 7b29245002 (このIDを非表示/違反報告)
Td(プロフ) - ミオさん» こちらこそありがとうございました。検討します。 (2018年12月17日 19時) (レス) id: 7b29245002 (このIDを非表示/違反報告)
ともえ(プロフ) - 面白かったです!続編希望です! (2018年12月17日 8時) (レス) id: 3030554e8b (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 面白かったです!ありがとうございました!続編希望です! (2018年12月17日 2時) (レス) id: f13eb61b67 (このIDを非表示/違反報告)
怠惰(プロフ) - 油菜さん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです! (2018年3月8日 6時) (レス) id: 49a9a48379 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Td | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年12月15日 16時

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