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重たい瞼をこじ開ける。
白い天井には点滴の袋がぶら下がっている。” 末梢静脈栄養PPN” と書かれた点滴袋。
利き手じゃない方の腕には針が刺さっている。
ここは病院か。
点滴の内用液を見る限り、投与が始まってからあまり時間は経っていないようだ。
鉛でも背負っているのかと思う程重たい上半身を何とか起こす。
辺りを見渡しても看護師らしき人も居ない。
それに、メンバーも居ない。
いざ居ないとなると、この心の消失感は何だろうか。
でも、もういいんだ。
顔を合せたくないのだから。
『はぁ……』
深い溜息を吐く。
まだぼんやりとしている頭で考える。
何時間経った…？
病院にはいつ来た？
ｽﾞｷｯ
『ｯ……』
頭が痛い。
水分不足か？
喉が渇いた。結局家で飲めなかったから、喉が渇いている。
上半身だけ起こす。
頭が重い。
『………はぁ』
深い溜息を吐く。
点滴の針が刺さっている腕が少し痛む。天井に点滴袋が括り付けられている為、自販機に買い物にも行けない。
大人しく待つしかない、か…。
その時、閉まっているカーテンの向こうに人影が見えた。
『？』
看護師か…？
マサイ「カルア……？」
『ｯ！？』
はｯ…！？マサイ！？
何でここに！？
マサイ「起きたなら良かった。診断結果は脱水症状と栄養失調だって」
………あれ。
入ってこない…？
マサイ「一応…そこの購買で軽食と水買って来たから、袋置いておくね」
カーテンの間から手が差し込まれ、近くの椅子の上に袋が置かれた。
マサイ「じゃあ、俺ら待合室に居るから」
そう言ってカーテンの向こうの影が動き、足音と共に去って行った。
『………』
扉が閉まる音が響き、虚しく空間にとけた。
聞こえるのは自分の呼吸音だけ。
『まさい…』
＿
『寄るな……！』
＿
あの一言が効いたか。
手の届く範囲に置かれた袋を掴み、中を漁る。
水のペットボトルが2本、ゼリー飲料が3個、固形の栄養食が2つと言ったラインナップだ。
飲み物は有難い。
＿
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作者名：モンエナ子 | 作成日時：2022年9月19日 21時
