【第四話】 ページ5
私の提案を、ハルキは理解していない様だった。
まぁ、それもそうか。
説明足らずだったかもしれないし…
正直、私も今の状況を良く分かっていない。
亡くなったと思ったハルキが霊になって出てくるなんて、未だに心の何処かでは信じられないでいる。
それでも、そんな事は気にならない位に私はハルキの喜ぶ事をして上げたいと思った。
そんな事を考えていると、ハルキが口を開いた。
「色んな所に行くって…例えばどんな所だ?」
「決めてない!二人で決めよう。」
私がそう言うと、ハルキは飽きれたような顔をした。
でも、本当に唐突に思いついたことだったのだ。
『どこに行くか』まで決められる訳が無い…筈。
そんな事を思いながら、ふと外を見ると、いつの間にか太陽が真上にまで上がっていた。
もう昼か…。
___と、その時、私の頭の中に考えが浮かんだ。
どうせなら、今から何処かに行けばいいんじゃないか。
今更だけど、今日は学校は休みだったし。
それに、「善は急げ」って諺も有るくらいだし。
そうと決まれば早速…
「ハルキ…。今から出掛けよう。」
「…?どこに行くか決まってんのか?」
「自由気ままに行くんだよ!どこかに!
目的地縛られてちゃ面白くないでしょ?」
「考えるの面倒臭かったんだろ?」
「い、いやぁ〜…そんなわけ…」
なかなかに鋭いんだよなぁ…ハルキ。
まぁ、自由気ままに行くのが良いでしょ。
目的地は、ない方がいい。
ふらついている時に行きたい所が見つかれば、そこに行けばいい。
「さぁ、ハルキ!早く出掛けよう!」
私はそう言った。
ハルキも苦笑しながらも頷いてくれた。
「よし、取り敢えず外に出よう!」
「あぁ!」
家のドアを開けると、眩しい太陽。
私達だけのカウントダウンが始まる___。
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ふぇると(プロフ) - 借り物さん» コメント有難う御座います!大切な人を亡くされたのですね…。私にもそう言う経験が有るのでお気持ち分かります。更新、頑張ります! (2018年9月22日 11時) (レス) id: 17f2d9e471 (このIDを非表示/違反報告)
借り物 - ううう…(;ω;)泣きました。私も最近大切な人を亡くしたので…更新頑張って下さい! (2018年9月22日 11時) (レス) id: 6e28dc55f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぇると | 作成日時:2018年9月17日 9時