いつも側にいたから T.F【3】

#112 ページ12

藤ヶ谷side









ぼんやりとした意識の中で




うっすらと目を開く







今のは


夢…か、、、








さっきより少しだけ暗くなった外のせいで




部屋の中も薄暗くなってる









自分の部屋だし、わざわざ目を凝らすこともない




熱のせいで上手く回らない思考回路




目を開けるのも怠くて




すぐに目を閉じた









カチャ…カチャ……






食器が軽くぶつかる高い音




俺、また寝てたのかな…








『太輔、、？』









Aの声…




目を少し開くと




蛍光灯の光に眩んで




自然と眉間にシワが寄る







A『どう？起きれそう？』









これは、現実？



それともまだ夢の中？








曖昧な意識の中



手を伸ばせば



すぐに触れることの出来たAの腕








ずっと側にいてほしい…








その想いからか掴んだ手にグッと力が入る









A『…太輔？』









離れないでほしい…









A『………っ…』









掴んだ腕を引っ張って




半ば無理矢理触れ合った




俺とAの唇









熱で火照った俺の身体のせいで




Aの唇は少し冷たく感じた









そしてすぐに腕は解かれ




バタン、と閉められたドアと




だんだん小さくなる足音









テーブルには優香が作ったであろうお粥と



薬が置かれてた









そしてまた俺はそっと目を閉じて




眠りについた









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