いつも側にいたから T.F

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球技大会当日



バスケに出ることになってるけど


補欠だし、運動苦手だし


できれば出たくなくて校内をブラブラする




『藤塚さん？』



後ろから声を掛けられて振り向くと



｢片野くん？｣




…クラスメートの片野くん


急に藤塚さんなんて言うから


びっくりしちゃった





片『こんなとこでどうしたの？』


｢んー…さぼり？(笑)

片野君は？｣


片『俺は保健委員だから

保健室に絆創膏取りに行ってたんだ。

誰か怪我したときにすぐ渡せるようにって』


｢真面目だね。

じゃぁね｣



そう言って歩き出そうとしたとき



片『藤塚さんって藤ヶ谷君と付き合ってるの？』




何人もの女の子からされたこの質問


でも男の子からされるのは初めてだった





｢付き合ってないよ｣


片『そっか…いつも一緒にいるから

付き合ってるのかと思った』


｢よく言われる(笑)｣


片『俺さ、藤塚さんのこと気になってんだ』





突然の告白


今の流れで告白ってありえる？


てゆーか片野君との接点ほとんど無いし


こんなに会話したのも初めてじゃないかな





｢あぁ…ごめん、私片野君のこと

よく知らないからさ…｣


片『うん。でも伝えておきたくて。

こうでもしないと藤ヶ谷君ばっかりで

俺のこと知ってもらえない気がしたんだ』





じゃぁまたねって言って歩いてく片野君



太輔は告白されるたびに


“俺のことたいして知らないのに告白なんて

信用できなくない？”


なんて言ってて


モテる人の考えはよくわかんないって思ってたけど


今、少しだけその気持ちがわかった気がした









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