いつも側にいたから T.F

#47 ページ47

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藤『A、帰るぞー』



「ちょっと待って！

職員室行ってプリント出さなきゃいけないの」



藤『何？なんのプリント？』






持ってる紙をヒラヒラさせると


太輔がその紙を覗いてきた






藤『数学？

また遅れてんの？』



「しょーがないじゃん！

ちょっと待っててー」






そう言って職員室に向かう





職員室のドアを開けて


数学担当の先生のとこに行くと




いつも遅い、次は無いぞ


って軽く怒られて





それを軽く聞き流して



先生の元を離れた








…あれ？


玉森くん？








担任と何か話してる玉森くんがいて



ちょうど同じタイミングで職員室を出た








「どうしたの？

なんかあった？」



玉『んーん、

“もう学校には慣れたか？”って

聞かれてただけ。

藤塚さんは随分怒られてたね(笑)』



「あー、うん。

よくあることだよ(笑)」




玉『なんだそれ(笑)』








そう言って玉森くんはクシャって笑った







よく太輔と話してるときは


こんな顔してるけど


私にこうやって笑いかけてくれたの


初めてかもしれない…








「じゃあ、太輔待ってるから」



玉『ん、また明日ね』





教室に戻る私と


昇降口に行く玉森くん





階段で別れた







「あのさ！」




玉『ん？』






階段を数段降りたとこで玉森くんが振り返る








「藤塚さんじゃなくて

Aでいいよ！

友達、なんだしさ…」



玉『俺も、裕太でいいよ』



「うん！

じゃあまた明日ね」



玉『うん、またね、A』









そう言ってまた階段を降りてく後ろ姿から




なんだか目が離せなかった









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