いつも側にいたから T.F

#38 ページ38

藤ヶ谷side








A『…っ？

太輔ってばっ！』



｢え？あぁ、どうした？｣



A『“どうした？”じゃないから

もうこれで最後の花火だよ』




そう言ってAに手渡された線香花火




誰が一番最後まで残ってるかって


定番のゲームが始まった





A『いくよ？

せーの…』





Aの掛け声で同時に火がつくと



さっきまでの騒がしさは無くなって



ジッと花火見つめる







A『あ゛っ…』




最初にAの花火がポトっと落ちると


待ってる時間が暇なのか


俺の目の前にしゃがんで


ニヤニヤこっち見てる





｢…なに？｣


A『べつにー？』


｢今、集中してんだけど｣


A『ふーん』








…ポトッ







｢あ…｣



顔をあげれば満足げなA






｢なんだよ｣


A『べっつにー？』


｢てゆーか、Aの方が先に落ちてんだから

この勝負俺の勝ちでしょ？｣


A『いーや、まだ優香の花火続いてるから

私と太輔は2人とも負けなの！』


｢はぁ？じゃぁ、2人で勝負しよーぜ｣


A『いいよ！

ぜーったいに負けないから！！』









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