いつも側にいたから T.F

#37 ページ37

藤ヶ谷side









後夜祭、Aのこと誘ったけど



“彼女とじゃないの？”って、、、








そう言うAにちょっと納得して


教室の入り口を見れば麻衣が立ってた




Aと別れて麻衣のとこに向かうと


笑顔で迎えてくれて




一緒に校庭へと向かった







校庭にある小さい舞台では


バンド部が演奏してたり


毎年恒例の告白大会やってる






麻『太ちゃんは？

呼び出されないの？？』


｢俺？そんなモテねーもん｣


麻『うっそだー

去年、5人くらいに告白されてたよ？』


｢んー？そだっけ？

覚えてねーや｣






そう言いながら舞台に目向けると


ちょうど一つの恋が実ったみたいで


大喜びしてる男子と恥ずかしそうにしてる女の子




｢ははっ

すげーな、めっちゃ喜んでんじゃん(笑)｣



舞台を見つめながら言うと



麻『私もね、太ちゃんに告白して

“いいよ”って言ってもらえたとき

すっごい嬉しかったんだよ』



麻衣が少し前の俺たちを思い出して喋り始めた



麻『でもね…

でも、今は…』




少し揺れてる瞳




周りのお祝いムードとは違う


俺たちの周りに漂う不穏な空気





麻『太ちゃん、ごめんね…

やっぱり太ちゃんといれない。

どうしても、不安になっちゃうの』







“なにがそんなに不安なの？”








そんなこと聞かなくたって分かった




麻衣のこと好きなのに…




不安を取り除いてあげる方法だって知っているのに…








やっぱり俺は麻衣の願い叶えてあげることは






出来なかった









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