いつも側にいたから T.F

#19 ページ19

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亜『おはよー』



「おはよ」



亜『あれ？太輔は？』



「…彼女じゃん？」








まだまだ暑い9月



新学期になり久しぶりの学校に登校する






ただ一学期と違うのは



隣に太輔がいなくなったこと







亜『2組の新川 麻衣だっけ？』


「うん、可愛いよねーあの子」


亜『3年生からも人気だよね』








『おはよー』




噂をすれば聞きなれた声がした




藤『寝坊しなかったんだな』


「しないよ」


藤『ふーん』





新川さんと目が合う



ペコッと下げられた頭






「じゃあね」




軽く頭を下げ返して



その場から立ち去る







亜『なんかまだ違和感だわ、

太輔の隣に他の女の子いんの』



「そう？

そのうち慣れるよ」









休み時間になると



クラスに太輔目当ての女子が集まる



でも太輔は彼女のところに行ってるのか



教室にはいない







『藤塚さん、藤ヶ谷くんは？』



『どこに行ってるの？』



『さっきまでそこにいたよねー？』







いつも一緒にいる私のところに来ても



そんな事は知らない







「さぁ？彼女のとこじゃん？」






その瞬間、悲鳴ともとれる叫び声






『彼女！？藤ヶ谷くんに！？』


『信じらんない！！』


『誰なの！？』





キャーキャーうるさいな…






「知らないよ

とりあえず、これから私のところに来ても

何も知らないから」







そう言って女子達を席から離れさせて



ボーッと外を眺める






“何も知らないから”




自分で言ったくせに




やけにイライラする








“俺らはお互いのこと

一番よくわかってるからな”







そう言った太輔の顔が浮かんだ









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