この薄汚れた世界の中で

・(福山side) ページ35

『も､いいから……っ､早く入れて?』

そんな潤んだ目でこっち見んなよ｡





『潤兄のが欲しい』

流石の俺だって､勘違いするだろ?







『や……っあ…じゅん……好き…!!』

これは本物じゃないって､分かってるのに｡



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俺の肩に寄りかかり､眠っているAを見ると､嫌でもさっきまでの情事が甦ってくる｡
俺､だいぶ重症みたい｡

安元｢あれ?潤……お前も若いね｣
ニヤつく安元の視線が注がれているのは､俺のズボン｡
｢うわっ?!や､これは｣
安元｢別にいいよ｡こればっかりは男の性(さが)だしｗ
……なんて言うか､お前らって不器用だよな｡

無理矢理自分達だけで抱え込んでさ｡
少しは頼ったっていいんじゃないの?｣

｢あー流石にそこまで迷惑かけられないというか｣
間島｢潤くん｣
俺の言葉を遮ったのは､先程から黙って運転していた間島だった｡お前､聞いてたのかよ

間島｢俺はさ､お前らに何があったか知らない｡
別に無理に聞こうとも思ってない｡

でもね､これだけは知ってくれる?
一緒に背負う覚悟のあるバカは､沢山居るって事｣
みんな､首突っ込む準備は出来てるんだよ､と付け足して薄く微笑む｡


何か､こそばゆい気持ちだ｡


福山｢うん､いつかは必ず言うつもり｣
間島｢そう?じゃあ待っとくよ｣



A､どうやら物好きな奴らみたいだぞ｡
どうする?甘えておこうか?

冗談めかしてAに問いかけると､
心做しかその口元は弧を描いているように見えた

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