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立花さんと神谷さんから逃れた後、やっとの思いで部屋に帰った。
靴を脱ぎ、リビングに向かおうとしたが
『うぁ……』
突然頭に激痛が走り、視界が反転する
意識を手放すその瞬間、身体が床に崩れ落ちる音だけがやけに耳に残っていた。
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「おい?!A____って!」
『……っ!!』
誰かに揺さぶられ、飛び起きる
周りを見渡せば、そこはいつもの部屋で
目の前には潤兄がしゃがみこんでいた
『潤……に…』
自分の呼吸が煩い。
福山「お前、ドア開けっ放しにすんなよ。それよりどうした?苦しそうだったけど」
そう言って潤兄は私の目元をぬぐう
その指には水滴がついていた
『ちょっと、思い出しただけ』
福山「そっか。……まだ忘れられない?」
その言葉を皮切りにいくつかの記憶がフラッシュバックする
__自分に向けられた、粘ついた視線
今も身体に残っている痕
誰も助けてくれはしなかったあの空間
……唯一、手を差し伸べてくれた__
記憶を辿っているといつのまにか抱き寄せられ、悲しげな顔の潤兄が目の前に。
福山「上書きするから。嫌なら殴れよ?」
そのまま二人の距離が狭まる
唇が今にも触れそうなその時、
部屋のドアの前に微かな気配を感じた
立花「俺だけど、Aいる?」
___今、一番聴きたくない人の声
福山「……A。俺、退くから行っといで」
パッと手を離し、潤兄が微笑む
でもその顔には苛立ちの色も滲んでいて。
その瞬間、私は思考回路を停止させ
何も考えずに後ろへ倒れた
福山「バカ!!」
____ダンッ
福山「危な……」
私に覆い被さり、頭を支える潤兄
この体勢は、所謂床ドンってやつ
直後、勢い良く扉を開け放つ音
立花「Aどうした?!……って潤くん?」
『潤兄、利用してごめん』
福山「は?え、ちょっ………っぐ」
立花さんの視線がこちらに向いた所で、視線は立花さんに向けたまま、潤兄のネクタイを引き寄せて深いキスをする
『ん……はぁっ……んぅ』
「お、い……ばか……かっ…」
室内に響く水音
チラリと立花さんを見ると、愕然とした表情で
こちらを見つめていた
私と視線がかち合う。
立花「っ……ごめん」
それだけ言うと、足早に去っていった
福山「お前、いきなりどうしたんだよ」
そこでふと我に返る。立花さんを遠ざける方法なんていくらでもあったのに、何故……
ふと一つの考えがよぎる
"私を知ってるのは潤兄だけでいい"
……多分、これは潤兄への執着心
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亜樹(プロフ) - 神谷さん!調教して下さい!彼なら許す(笑) (2019年1月11日 18時) (レス) id: 42e8eb5d96 (このIDを非表示/違反報告)
のりすけ(プロフ) - 自称変態さん» 自称変態さんコメントありがとうございます!(凄い名前だな…by神谷)その2人も後々……?楽しみにしてて下さい♪ (2018年11月5日 7時) (レス) id: b6d5b356d9 (このIDを非表示/違反報告)
自称変態 - 日野さんのせりふ神谷さんと櫻井さんにも言ってほしいです!!!!! (2018年11月4日 22時) (レス) id: 3de450cf70 (このIDを非表示/違反報告)
四季(プロフ) - 今日作者の新作?のところにこの作品があったので見たんですけどやっぱのりすけさんの作品はすごいですね("⌒∇⌒")掛け持ち大変でしょうけど頑張ってください! (2018年10月17日 18時) (レス) id: 5f429ae7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ryoriisa(プロフ) - のりすけさん» 占ツクのボードに書き込みしたので、そちらでお話しませんか?? (2018年9月24日 16時) (レス) id: 6d61661040 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のりすけ | 作成日時:2018年8月27日 20時