花火を見上げる金魚。

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北 ｢で！ダッサイ話は！？｣


藤 ｢あ〜｣









貴方の顔を覗きこむようにそう聞くと、

貴方は少し苦笑いをして口を開いた。









藤 ｢本当は今日告白するつもりじゃなかったんだよね｣


北 ｢そぉ〜･･･なんだ｣









なんと言うかすっかり浮かれていたからか、

思いがけない言葉にちょっと戸惑った。



そんなつもりで言ってないだろうと分かってても、

なんか今のこの幸せは予定にはなかったんだと、

なんとなく･･･、ちょっと悲しくなった･･･。



いや、悲しいともちがうのかな･･･。

なんか･･･、なんかモヤッとする･･･。



俺が言えた事じゃないけど、

告白するつもりなかったのかぁ･･･ってなんか･･･









北 ｢･･･！｣









するとグッと手を再度強く握られ軽く引かれ、

顔を上げると貴方が優しく微笑んでくれた。



その時初めて自分が無意識に顔を下げ、

手を少し緩めてしまった事に気付いた。



だから俺も予定にはなかった事かもしれないけど、

でもじゃあやっぱ無し！とかももぉ出来ないし、

そんな事するつもりもないから強くその手を握り返した。



すると貴方は嬉しそうに顔を綻ばせるから、

俺もつられて顔を緩めてしまった。









藤 ｢あのね、告っちゃったのは宏光のせいなんだよ｣


北 ｢はあっ！？｣


藤 ｢お祭りを楽しんでる宏光が可愛すぎたんだ｣


北 ｢･･････は？｣


藤 ｢なに、その意味わかんねぇって顔(笑)｣


北 ｢だって･･･｣









こうして幸せなのは、

想いが通じあったからってのは分かってるんだけど･･･



まだまだ実感が湧かないのか、

改めて俺にいつからか片思いしてたのかとか、

そうゆう事を思うとなんか信じられない･･･。



だからかその｢可愛い｣とか｢好き｣とか、

そうゆう目で俺を見てたとか、

絶対嘘じゃんとか思ってしまう･･･。



だって貴方は俺と違っていつだって余裕そうだった。

俺はかなりいっぱいいっぱいだったんだけどなぁ･･･。










藤 ｢今日1日いつも以上に可愛くて本当に困ったよ！｣


北 ｢･･･(苦笑)｣


藤 ｢可愛いって何度も言いそうになってさ(笑)｣









でも言ったら絶対｢どこがだよ！！｣って怒るじゃん？

だから飲み込むの大変だったよ〜(笑)



って貴方は1人ニコニコと話してて、

なんだか色々実感ないけど、

笑って俺に俺の話してるのはなんか嬉しかった。

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