花火を見上げる金魚。

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藤 ｢待ってって(笑)あっ、宏光っ｣


北 ｢！？｣









それは突然の事で、

腕に少しの痛みを感じたと思ったら、

貴方に腕を引っ張られた後だった。









藤 ｢ほら、やっぱ酔ってる｣









いったい何が起こったのか分からずにいたが、

前をちゃんと見てみるとすぐ目の前には自転車。

すぐに貴方が助けてくれた事を把握した。



そして掴まれてた腕を離されると、

貴方は凄く呆れたような顔でそう言った。









北 ｢わりぃわりぃ、ありがとな(笑)｣









確かにちゃんと前を見てなかった自分も悪いけど、

元はと言えば貴方があんな事言ったからで、

だから貴方のせいだって頭の隅で思った。









藤 ｢もぉ･･･俺がいない時どうしてんの？｣


北 ｢何が？｣


藤 ｢飲みだよ。毎回こんなフラフラなの？｣


北 ｢いや、もっと普通。今日はたまたまだよ(苦笑)｣


藤 ｢毎回な気がするんですけどぉ〜？｣


北 ｢あ〜･･････｣









だから、それも貴方のせいなんだけどなぁ。









藤 ｢本当、心配になるから気を付けてよ？｣


北 ｢はぁぁい｣


藤 ｢本当に分かってんの？｣


北 ｢分かってまぁす｣


藤 ｢ったく｣


北 ｢母ちゃんかよ(笑)｣


藤 ｢誰のせいだよ(笑)｣









だから、全部貴方のせいだよ(笑)









北 ｢んふふ｣


藤 ｢もぉ、笑い事じゃないからねぇ〜？｣









俺の日常は｢貴方のせい｣でいっぱい。

あれもこれも全部貴方が原因。

それだけ貴方が大きな存在って事だ。









藤 ｢本当に心配してんだよ？｣


北 ｢本当にぃ〜？｣









ねぇ、俺は貴方の日常の中の何になる？

他の友達と同じただの友達はちょっと嫌かなぁ。









藤 ｢本当にぃ〜｣


北 ｢いつもぉ〜？｣


藤 ｢いつもぉ〜｣


北 ｢ｳｼｼｯ大変だねぇ〜｣









だったら酔っ払ったら面倒な友達ぐらいがいい。

よく遊ぶ友達よりも、ちょっとクセがある友達がいい。

その方が貴方の記憶によく残りそうだから。









藤 ｢でしょ〜？宏光のせいでハゲそうだよ(笑)｣


北 ｢まじ？(笑)｣


藤 ｢マジマジ(笑)｣


北 ｢よしっ！ハゲろハゲろぉ〜♪｣


藤 ｢ったく、酔っ払い(苦笑)｣









いっそ本当にハゲたらいいのに。

そしたら一生言われたい。

｢宏光のせいでハゲたんだよ｣って。

そんな風に貴方の人生に刻まれる何かになりたいな。

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