花火を見上げる金魚。< 2 >

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藤 ｢･･･なんでニヤニヤしてんのさ｣


北 ｢だって･･･(笑)｣


藤 ｢なに？｣


北 ｢雨が悲しいなんてお前ネガティブすぎ、ｸｸｯ｣









ねぇ、本当は｢すぎ｣なのは俺と貴方のどっちかな？









藤 ｢そぉ･･･かなぁ？｣


北 ｢そぉだよ！｣


藤 ｢ん〜･･･｣


北 ｢ふふっ｣









貴方がネガティブ｢すぎ｣なのか、

それとも俺が幸せ｢すぎ｣て浮かれてのか、

どっちが本当は正しいんだろうね。









北 ｢あるかもじゃん？幸せな雨も｣


藤 ｢例えば？｣


北 ｢たとえば？｣


藤 ｢うん、例えば花火が雨になる時はどんな時？｣


北 ｢ん〜･････････｣


藤 ｢･･･｣


北 ｢カサが･･･欲しくなった･･･時･･･？｣


藤 ｢？｣


北 ｢傘があったら･･･隠れて･･･ｷｽ、ﾃﾞｷﾙ///｣


藤 ｢････････････プハッ(笑)｣


北 ｢///｣


藤 ｢ｸｸｸｯ、確かに、なった、花火が幸せな雨に(笑)｣









横で笑う貴方に恥ずかしさが込み上げた。

でも、貴方が笑うから嬉しくもあった。



どっちが｢すぎ｣なのかは分からないけど、

でもやっぱどちらかと言えば良い方がいい。



だから貴方のネガティブ｢すぎ｣が1つ、

俺のせいで笑い｢すぎ｣なって嬉しい。









藤 ｢ｸｯｸｯｸｯｸｯ(笑)｣









ねぇ、そんな笑いすぎな貴方に聞きます。









来年はどっちの花火でどっちの雨がいい？









空から降り注ぐ眩(まばゆ)い光の雨か、

傘の上で跳ねて散る花火か･･･









北 ｢おい･･･笑いすぎっ///｣


藤 ｢だって、ﾌﾌ｣


北 ｢ったく///｣


藤 ｢ねぇ、じゃあ来年はコレじゃ駄目だね？(笑)｣


北 ｢あ”？｣


藤 ｢ビニールじゃない傘買わないとだ(笑)｣


北 ｢そぉーですねっ！！ﾌﾝｯ///｣


藤 ｢ｸｯｸｯｸｯｸｯ｣









もしいま貴方にそう聞いたら、

きっと俺と同じ｢どっちでもいい｣って言うよ。









北 ｢･･･ﾌﾌ///｣









ねぇ、そうでしょ？

貴方のその笑った顔がそう言うって言ってるよ。









藤 ｢ﾌﾌ、見すぎ(笑)｣


北 ｢ｯ！？｣









フッと突然貴方の手が俺の目を覆い、

すぐ外されると貴方は｢恥ずかしい｣からと笑った。



だけど俺にとってその明らかに照れてる態度は、

新鮮かつ貴重でやっぱりマジマジ見てしまった。

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