舞ウ華ノ中、見ル景色。< 2 >

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＜カside>






そして何故お頭は俺等に選択権を与え、

何故｢残れ｣と｢寂しいだろ｣と言ってくれなかったのか、

その答えはその日の晩のうちに知った。









頭は俺等を所用物みたいに扱いたくなかったからだって。









だけど本心は残って欲しかったんだよ。

でもそこは強制したくない。

アイツ等の人生はアイツ等のもんだからって。



だからあんな風に微笑む事しか出来なかったんだよ。

でも2人は此処を選んでくれた。

だから凄く嬉して仕方がないんだと思うよ。



って、改めて一員になった祝いの宴で、

ベロベロに酔っ払いながら笑ってるお頭を指差され、

因みに俺等も嬉しいと思ってるからね。

残ってくれてありがと。これからもよろしく。



ってお玉さんが微笑みながら頭をクシャッとされた。

俺はそのお玉さんの微笑みや、

酔っ払って大笑いしてるお頭、

それと時折目が合うと微笑んでくれる総隊長を見て、

なんて愛情深いんだろうと目の奥が熱くなった。









カ ｢･･･かしら｣


藤 ｢ん、｣









今もあの時と同じなんだろうか？

頭も、総隊長も･･･、本当に俺に期待してくれてるのかな？

自分は本当に全然何にも役に立たないと思ってたけど、

何かを任せて貰えるまできたのか･･･。



これからは遠目にじゃなくて、

ちゃんと此処の、御二人の･･･役に立てる･･･？

望むばかりじゃなく、望むもののために行動をする時･･･？



『出来るか出来ないかと言われたら分からない』

『でも出来るか出来ないかじゃなくてやりたい』

『何としてでもやり遂げたい』『期待に添いたい』

そんな思いが身体を走ったように胸を高鳴らせた。



あぁ、これも同じ･･･。

今も、さっき頭を下げた時に感じた熱くなった感じも、

あの日此処に残ると決めた時と同じだ･･･。









俺は･･･、此処が好きだから･･･。









此処には好きな人も沢山いるから。

だから、何でもする。



｢やれ｣と｢残れ｣と強制なんかされなくたって、

やってやりますよ、残りますからって、

意地になったような、そんな自分の意志の熱さだ。









カ ｢やらせてください･･･、お願いします｣









俺は姿勢を正し、深々そう言って頭を下げた。

知らなかった。自分が意外に強情だったなんて。

でもこれは知ってる。俺には御二人が全てだって事。

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