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<カside>
藤 「よし。ミツ、」
北 「はい」
頭が総隊長の名を呼ぶと総隊長は、
頭、俺等と順番に盃にお酒を注ぎ、
最後にご自分のに入れた。
藤 「今回の成功祈願とカズマの就任祝いに」
そう言って頭が高く盃を掲げたあと、
4人でグイッとソレを飲み干した。
『コト・・・』
カ 「・・・。」
空になった盃、それはなんだかとても感慨深かった。
此処に来て2度目の盃事。
初めては正式に組員になった時。
十五だった俺はソレを飲み干せなかった。
なのに、しかと盃事を行えるようになったなんてね。
カ 「クス・・・」
大人に・・・なっていってるんだなぁ・・・。
あの頃は事柄の全てが何も分からなかった。
今は・・・分かった上で形のないものに頭を抱えてばっか。
大人って・・・、なんか息苦しい・・・。
子供の時は何が悪くて良いか分からなかった。
だから何を言っても「悪気」なんてなかった。
でも今は・・・、分かってしまったから・・・。
何が悪くて良いとか、上下関係とか、なんか色々・・・。
だから歳を重ねる度に色んな事を諦めた。
そして必要以上の情報に振り回されたくなくなった。
リ 「おい・・・、大丈夫か・・・?」
カ 「ぇ?」
リ 「ボーッとしてるからさ・・・、酔った・・・?」
藤 「たかが1杯で酔うかよ(笑)」
リ 「いや、でも、緊張してたし一気に回ったとか、」
藤 「ないないっ!こんなの水と変わりないだろ(笑)」
リ 「頭と一緒にしないでください!コイツは普段から、」
カ 「リョースケ、大丈夫だよ」
リ 「本当か?でも、」
北 「カズマ、本当に平気か?」
カ 「はい。ただ・・・」
リ 「ただ?」
だけど人の気持ちを理解できるようになったからこそ、
本当の「喜び」や「悲しみ」を得られる。
子供の時の何かを与えられたとか、遊んでくれたとか、
そうゆう物理的な喜びじゃなくて・・・
カ 「こんなにお酒って美味しかったっけ・・・って・・・ヘヘ///」
大人は想い想われて、慕って慕われて、
その中に生まれる「絆」に喜びや悲しみを感じ、
そしてかけがえのない「幸せ」を手に入れられるんですね。
そんなの知らなかった・・・。
いや、知ろうとしてこなかった・・・。
ずっと自分には何も出来ないと思っていたから。
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朱蝶(プロフ) - 恵さん» 頂けたら嬉しいですm(__)m (2019年1月9日 1時) (レス) id: fea3ffa764 (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - 恵さん» 恵さん♪初めまして、お逢い出来て嬉しいです(*^^*)お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。そして更新が止まってるにもかかわらず読んでくださり有難うございます(*^^*)っつか今は別のお話に集中してしまってるんですが、必ず続き書きますのでそれまで楽しみにして (2019年1月9日 1時) (レス) id: fea3ffa764 (このIDを非表示/違反報告)
恵 - こんばんは。舞ウ華ノ中、見ル景色。からファンになり作品見させていただいてます。リョースケとカズマの切ない想いに涙しまくりで続きが気になって仕方ありません。また作品の続きがかける時にぜひとも書いていただきたいです。これからも読ませていただきます! (2019年1月7日 1時) (レス) id: 6279219e3b (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - いゆらんさん» いゆらんサン♪こんばんは(*^^*)お頭はやっぱオチビ2人に比べたら大人ですからね(笑)たまには大人っぽいこともやってくれるんですよ(笑)背中を押されたリョースケがどうでるか楽しみですよね(*^^*) (2018年4月24日 20時) (レス) id: fea3ffa764 (このIDを非表示/違反報告)
いゆらん(プロフ) - おはようございます♪朱蝶様〜太輔さんのリョースケへのケシカケがスマート♪もう、頑張れっての言い方が本当に素敵です。リョースケの最後のまた、写すの言葉が振り向いてもらえるようにする所が愛らしいしいじらしく、ババ様は見守ってくよと応援してます(〃艸〃) (2018年4月23日 7時) (レス) id: 3188bfb525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶 | 作成日時:2018年3月15日 20時